奈良教育大学附属中学校の概要
奈良教育大学附属中学校は、奈良県唯一の国立大学法人の附属中学校です。
附属大学との連携はもちろん、地域の教育委員会とも協働しながら、学校の課題を解決するため実験的で、周りをリードするような取組を開発し、実施しています。
また教育実習プログラムの開発とその改善にも力を入れています。
中学卒業後の進路として、奈良・畝傍・郡山を始めとした難関国公立高校や難関私立高校へ多く輩出しています。
校風
教育目標に「科学と技術の基本を身につけ、すすんでものの本質をきわめる人間に」とあるように、さまざまな物事に生徒全員がチャレンジしています。特に部活動の一つである科学部は、国際ロボットコンテストで2年連続の日本一になるなど科学を通して活躍している生徒もいます。
教育方針
・真理を求め、平和を願い、しあわせな世の中を築く人間に ・科学と技術の基本を身につけ、すすんでものの本質をきわめる人間に ・自由と責任を重んじ、粘り強く現実を切り開く人間に ・みんなのいのちや願いを大切にし、あい励まし合い助け合う人間に ・豊かなこころとたくましいからだをもち、明るく健やかに生きる人間に この5つを教育目標として掲げています。
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お問い合わせ先
TEL 0742-26-1410
FAX 0742ー26-1413
所在地
〒630-8113
奈良県奈良市法蓮町2058-2
アクセス方法
JR「奈良」駅から奈良交通バス「航空自衛隊」「西大寺駅」行きに乗り約10分後「教育大附属中学校」下車、北へ徒歩約10分
近鉄「新大宮」駅から北東へ徒歩約20分
奈良教育大学附属中学校(2024年度)の入試情報
入試情報
奈良教育大学附属中学校の入試対策の特徴
令和4年度入試より、社会・理科の検査を「総合」とし、面接を実施すると変更されました。これに伴い、理科・社会だけでなく国語・算数についても、これまでの入試傾向が変更される可能性があります。
よって、過去問に取り組むだけでなく、総合的に力をつけておく必要があります。
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令和5年度(2023年度)入試結果について
定員と倍率
奈良教育大学附属小学校からの連絡進学者を含んだ募集人数は、136名です。
一般受験については、実質競争倍率1.71倍となりました。
募集 人員 | 出願 者数 | 受験 者数 | 合格 者数 | 実質 競争 倍率 | |
---|---|---|---|---|---|
一般 | 136人 | 244人 | 151人 | 88人 | 1.71 |
附属小 | 61人 | 55人 | 49人 | 1.12 |
合格者平均点
2023年度入試の一般受験者の合格者平均点は、100点満点中65.9点となりました。
合格者の最低点は、55点でした。
過去の入試結果
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入学者の選抜方法について
奈良教育大学附属中学校の学力検査は、
- 国語(40分)
- 算数(40分)
- 総合(社会・理科)(60分)
- 面接(10分)
の4科目で実施されます。
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令和5年度(2023年度)出題形式
【国語】30点満点(40分)
1.「知識領域」「正確な解答力」の重要性の増加
〇2022年度入試…大問1:知識領域6問/大問2:物語7問(うち記述2問)/大問3:論説文7問(記述問題なし)
〇2023年度入試…大問1:知識領域10問/大問2:論説文7問(記述問題なし)/大問3:作文
2か年の比較では、上記のように「知識問題の設問数:増加」「読解問題の設問数:減少」「作文問題:追加」と変化しています。
従来、知識領域は「漢字+特定の1分野」でしたが、2023年度は「漢字+2分野」となっており、読解問題を減らした分、知識領域の配点とバリエーションを増やすという方向性が見られます。
また、全体の設問数は減少しているので、「1問あたりの配点」は大きくなり、作文問題も含めて「1問の重さ」は増加しました。
2.作文問題の復活
作文問題については1年ぶりの「復活」となりましたが、傾向は2021年度までと同様に「自分の考えを書く」というもので変化はないです。
大問1 | (1) | 漢字書き取り(2問) |
(2) | 漢字の読み(2問) | |
(3) | 敬語の知識(3問) | |
(4) | 熟語の構成(3問) | |
大問2 | 本文内容 | 論説文(「自分の〈ことば〉をつくる」細川英雄より) 内容:「表現することとは?」についての考察 |
(1) | 接続語の補充(選択肢) | |
(2) | 傍線部の内容説明(本文からの書きぬき) | |
(3) | 筆者の主張の読み取り(選択肢) | |
(4) | 脱文補充…設問で示された一文が本文のどこに入るかを答える(段落番号を答える) | |
(5) | 傍線部の意味説明(選択肢) | |
(6) | 本文に合致する選択肢を5つの中からすべて選ぶ(選択肢) | |
(7) | 本文内容を説明した文の空所に入る言葉を答える(本文からの書きぬき) | |
大問3 | 作文 | 「マスクを着用することがコミュニケーションに与える影響」と、それをふまえての「コミュニケーションにおいて大切だと思うこと」について、自分の考えを書く。 (240字以上300字以内) |
【算数】30点満点(40分)
2020年度から出題傾向が変わったことによって、大問数が9問から6問と大幅に減り、1問の配点が大きくなりました。
問題の難易度については、標準的なレベルの問題も多く出されており、比較的単純な解法で解くことができる問題もあります。
毎年、図形の作図の問題やさまざまなグラフの作図の問題が出されています。
今年度は、図形の作図は出題されませんでしたが、2量の関係を表すグラフの作図が出題されました。
2020年度 棒グラフの作図、展開図の作図、水量変化とグラフの作図
2021年度 正三角形の作図、棒グラフの作図
2022年度 棒グラフの作図、速さとグラフの作図
2023年度 2量の関係を表すグラフの作図
また、図形の問題は毎年レベルの高い問題も多く出されているので、そこで得点を取ることは難しいと思われます。
よって、解ける問題を確実に正解することが、合格ラインを超えるうえで、非常に重要なポイントになります。
大問番号 | 小問数 | 内容 |
---|---|---|
[1] | 5 | 計算問題 |
[2] | 5 | 小問集合 |
[3] | 2 | 立方体の積み重ね |
[4] | 4 | 規則性 |
[5] | 2 | 平面図形の面積 |
[6] | 4 | 2量の関係とグラフ |
【総合:理科】
昨年度は、大問4問で小問9問(うち記述問題3問)でしたが、今年度は大問が6問で小問が11問(うち記述問題1問)でした。
昨年度より記述問題が減少しましたが、大問6は図と資料を参考にして考えたことを3つ説明する問題であり、かなり書きにくかったのではないかと考えられます。
昨年度と比べても、図や資料、実験などから考えて答えを導く問題が多数出題されており、難易度は上がったと考えられます。
★総合(理科と社会に分かれる)で60分、30点満点。
理科領域:大問6問、小問11問。理科にかけられる時間は30分程度で15点満点。
大問番号 | 小問数 | 内容 |
---|---|---|
[1] | 1 | 4日後の月の形と同じ時刻に見える月の位置を選ぶ問題 |
[2] | 3 | (1)ピーマンの実の中の種子の様子を選ぶ問題 (2)「晴れ」の雲量を選ぶ問題 (3)「日照時間が長いことはピーマンなどの植物の成長にとってどのような良い点があるか」についての説明文の空欄を補充する問題 |
[3] | 3 | (1)あたためられた気体の体積がどのようになったかを選ぶ問題 (2)(1)の結果から、あたためた側と反対側の気体がどのようになるかを選ぶ問題 (3)試験管の口側の気体が冷やされるために、ガラス製の注射器内の気体がどのようになるかを選ぶ問題 |
[4] | 1 | 5種類の気体を分類する方法を選び、実験方法を表した図を完成させる問題 |
[5] | 2 | (1)20gのおもり2個、10gのおもり1個を右うでだけにつるし、つりあわせる方法を答える問題 (2)20gのおもり2個、10gのおもり1個を左右のうでだけにつるし、つりあわせる方法を答える問題 |
[6] | 1 | 人工林と天然林を示した「図」と話し合いメモの「表」から、人工林を多種多様な生物が生きられる森林にするにはどのようにすれば良いかを考え説明する問題 |
【総合:社会】
大問1は農業・工業に関する地理分野、江戸時代と明治時代に関する歴史分野、国会に関する公民分野の融合問題です。
学校の教科書に記載されている内容を基本としていますが、資料の分析力も必要となります。
また、選択問題については「正しいもの」「まちがっているもの」を選択する形式が混在するため、マーキングを行うなどしてミスを防ぐことが必要です。
大問2は2022年度入試と同様に、資料を読み、課題を思考し、その課題を解決するための意見を記述する問題です。
★総合(理科と社会に分かれる)で60分、30点満点。
大問2問, 小問10問。社会にかけられる時間は30分程度で15点満点。
大問番号 | 小問数 | 出題内容 |
---|---|---|
[1] | 8 | (1)木簡を答える問題 (2)江戸時代のできごとの説明について、まちがっているものを1つ選択する問題 (3)明治時代の日本の有力な輸出貿易品を選択する問題 (4)高度経済成長期の日本のようすの説明について、まちがっているものを1つ選択する問題 (5)高知平野での農業の説明について、正しいものを1つ選択する問題 (6)中京工業地帯, 関東内陸工業地域、北九州工業地帯、京葉工業地域の工業生産額のグラフの中から、関東内陸工業地域のグラフを選択する問題 (7)環境にやさしい自動車の説明について、まちがっているものを1つ選択する問題 (8)国会の役割の説明について、正しいものを2つ選択する問題 |
[2] | 2 | 「大和北道路」が開通することによる「良い影響」と「悪い影響」を資料を参考にして2つずつ説明する問題と持続可能な社会の実現をめざすために、「悪い影響」の解決策を80字以上120字以内で説明する問題。 |
面接
1グループ4~5名、10分間で実施(事前発表)。10点満点。
男女混合の5人程度のグループで「動物の権利を守るという観点から動物園が必要か」について、まずは、司会を決めてから、話し合いなさい。(実際には10分~20分間があたえられました)
奈良教育大学附属中学校 入試対策ポイント
国語 入試対策
知識定着と基本動作の徹底(確実な解答を実現するために)
① 「知識」「読解」のバランス良い学習
「慣用句」「熟語の構成」など、知識領域は様々な分野があるが、その一つひとつを確実に自分のものとする継続的な努力をしましょう。
読解については、「本文マーキング」「設問マーキング」「選択肢マーキング」を習慣化し、「確実に本文を読む」「確実に質問内容をつかむ」「確実に選択肢を見極める」という姿勢を持ち、「取りこぼしのない解答」ができる力をつけましょう。
② 「自分の考え」を「相手に伝わるように」書く作文練習
200字を超える作文は、「なんとなく思いつくまま書く」という書き方では、「伝わらない」「途中で行き詰まる」ということにつながります。
普段から、①「自分の考えは〇〇だ」を整理する、②「自分の考えを伝えるためには~という構成で書く」、 ③「主語・述語」を意識して文を書く、という3つの習慣を持ちましょう。
算数 入試対策
まずは、基本的な内容を徹底的に押さえておく必要があります。
計算問題や資料の調べ方は必須です。
規則性や速さはもちろん、平面図形・立体図形や特殊算なども基礎問題をしっかりと反復練習をしておく必要があります。
問題数の割に時間が少なく、速く正確に解く必要があるため、丁寧に数え上げることや素早く計算する力も必要となります。
日頃から時間を意識した計算練習を行っておくとよいでしょう。
奈良教育大附属中の算数に限らず、入試では計算力が必須となるので、毎日の計算練習(小数の四則計算・分数の四則計算・小数と分数の混合計算)を行いましょう。
また、グラフの問題では、きちんとグラフをかくことができれば解ける問題も多いので、これからの授業で扱うグラフをかく問題で、くり返し練習しておきましょう。
総合:理科 入試対策
物理・化学・生物・地学の4分野からまんべんなく出題されるため、苦手単元を作らないことが必要になります。
基本知識問題については、間違った問題の解き直しを通して徹底的に覚えていく必要があります。
また、記述問題については、問題文から「何を問われているのか」と「解答を作るための条件」を見つけ、それに対する答えを書く力が要求されます。
そのため、問題文から重要な部分が何かを読み取る力や、資料を正確に読み取ったうえで自分の考えをまとめて説明する力を身につけること。
なぜこのような実験結果が起こるのか、何が資料から分かるのかなどを普段から考え説明する練習をしていきましょう。
総合:社会 入試対策
教科書に掲載されている基本的な知識問題に加え、比較的文字数が多い記述(100字程度の作文形式)問題が出されます。
記述問題は読解力や思考力、表現力が要求されます。
そのためには自分の意見をまとめたり、資料を正確に読み取ったりする練習が必要です。
今後の対策として、奈良教育大附属中の過去問に加え、季節講習で行う記述編の授業などで、多くの記述問題を解き, 記述の書き方やポイントを習得しましょう。
教科書や資料集に登場する資料・写真に、多く触れておくことも重要です。
面接 入試対策
募集要項では「面接」として検査内容を発表していましたが、実際は「グループディスカッション」でした。
他校での出題例も参照しながら、どんな形で入試が行われてもあわてないだけの準備が必要です。
今年はたずねられなかった奈良教育大附属中に対する志望動機や、小学校生活で学んだことなどについても想定問答集を作り、まとめておくと安心です。
KECの奈良教育大学附属中学校
対策講座・模試情報
表現講座
「表現力」養成のKECの専門授業です。
この講座では、「表現力」を身につけるために必要な3つの力を養います。
- 本文や複数の資料から示される事実を正確に読み取る「読解力」
- 自分の意見やその理由を的確に伝える「伝達力」
- 質問や反論に対して瞬時に解答を導くことができる「現場思考力」
模試
令和3年度入試より変更された出題形式に対応した試験構成で実施しております。
1点の重みが非常に大きい奈良教育大附属中学校入試を突破するためのノウハウが詰まった解説をお伝えいたします。
KECの合格メソッドについて詳しくみる
こちらをご覧ください。
奈良教育大学附属中学校の合格者の声
奈良県立青翔中学校/智辯学園奈良カレッジ中学部/奈良教育大学附属中学校 合格
奈良教育大学附属中学校 合格
奈良市立 一条高等学校附属中学校/奈良教育大学附属中学校/育英西中学校(特設コース) 合格
京都教育大学附属桃山中学校/一条高等学校附属中学校/奈良教育大学附属中学校 合格
奈良教育大学附属中学校/近畿大学附属中学校 合格
青翔中学校/奈良教育大学附属中学校/聖心学園中学校(Ⅱ類) 合格
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大阪教育大学附属天王寺中学校(大教大天王寺)の入試対策は、KECゼミナール天王寺教室のホームページでご覧いただけます。