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急に算数ができなくなる小4の壁
“小4の壁”って本当にあるの?気づいた時が始め時
「これまで算数が得意だったのに、最近急にわからなくなったみたいで…」
小学校4年生のお子さまをもつ保護者さまから、こんなお声をいただくことがよくあります。テストの点数が下がった、宿題に時間がかかる、苦手意識が出てきた…そんな変化に戸惑う保護者さまも多いのではないでしょうか。
いわゆる“小4の壁”とも言われるこの時期。学力の伸び悩みは、実は一過性のものではなく、これからの学習に大きく関わる大切なサインかもしれません。

「抽象思考」と「思考力(理由や根拠)の説明」が求められる4年生
小学校4年生になると、学習内容が一気に「抽象的」になります。たとえば算数では「小数・分数」「面積・角度」など、目に見えない量や概念を理解する力が求められてきます。これまでは“やり方”を覚えればよかった内容も、次第に「なぜそうなるのか」を自分で考えたり説明したりする力が必要になっていくのです。
さらに文章問題も複雑化し、「条件を読み取って整理する」「複数の手順を組み立てて解く」といった、より高度な思考力や表現力が求められます。これは、発達段階として「具体から抽象へ」と思考が変化していく自然な流れであり、多くの子がつまずきを感じやすいポイントです。
小4から育てたい、“考える力”をの伸ばし方
「この問題、どうやって考えたの?」
そんなひと言から、子どもの“考える力”は育ち始めます。
小学校4年生を境に、算数では「公式を覚える」こと以上に、「どうしてその答えになるのか」「どんなふうに考えたのか」といった“思考のプロセス”が重視されるようになります。答えが合っているかどうかよりも、「どう考えたか」に注目してみると、お子さまの中にある“考える芽”に気づくことができます。
たとえば、宿題を見ていて「違うでしょ!」と指摘したくなる場面でも、「この式にしたのはどうしてかな?」と一緒に振り返ってみる。うまくいかないときこそ、「その考え方、おもしろいね」と、チャレンジしたこと自体を認めてあげる。そうしたやりとりの積み重ねが、子どもに「考えていいんだ」「話してもいいんだ」という安心感や自信を育てていきます。

KECゼミナール・KEC志学館ゼミナールの「公立中学進学プライムコース」でも、子どもが自分の考えを表現する力を大切にしています。授業では、答えにたどりつく過程をみんなで共有したり、「ほかに考えられる方法はあるかな?」と問いかけたり。正解を教えるのではなく、考える道すじを一緒にたどる時間を重ねることで、子どもたちは「考えるって楽しい」と感じるようになっていきます。
難しくなってきた今こそが、“考える力”を育てるチャンスです。ご家庭でのちょっとした声かけや、寄り添いの姿勢が、その一歩を後押ししてくれます。
「今、気づけた」ことがチャンス
お子さまの変化に「もしかして…」と気づけた保護者さまこそ、大きな一歩を踏み出したと言えます。
「なんでそう思ったの?」「どんなふうに考えたの?」と、“答え”よりも“考え方”を聞いてあげることが、これからの学びに大きくつながっていきます。
“できなくなった”のではなく、“考える力が育ちはじめたサイン”かもしれません。
気づいた今こそが、子どもにとって大きな成長のチャンスです。
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お子さまの「今」に合った学び方を、一緒に見つけていきましょう。