2025.10.30
子どもの進路について親の意見はどう伝える?関わり方やアドバイスのポイント

子どもの進路について親の意見はどう伝える?関わり方やアドバイスのポイント
お子さまの進路は、将来に大きく影響する重要な分岐点です。親として応援したい気持ちがある一方で、どこまで意見を伝えるべきか悩まれる保護者さまもいらっしゃいます。本記事では、進路の状況別の接し方や、取るべき行動のポイントを紹介します。お子さまが主体的に進路を決められるようにするには、マイナスの発言や過干渉を避けつつ、あくまでサポートに徹することが大切です。
パターン別|子どもの進路への関わり方
進路は将来を左右する大切な選択ですが、その際に「どう関わればよいのかわからない」「親子で意見が合わずに不安」と悩む方は多いのではないでしょうか。まずは、進路の状況に合わせた関わり方をパターン別に解説します。お子さまが今どのような状況に置かれているのかをきちんと理解し、適切な距離感を保ちながらサポートするよう心がけましょう。
パターン1.子どもの進路が決まっている場合
すでにお子さまのやりたいことが明確で進路が決まっている場合は、意思を尊重しながら具体的な準備を一緒に進めていくのがおすすめです。たとえば大学進学を希望しているなら、以下のような観点で一緒に志望校を検討してみましょう。
- 志望校の候補を複数挙げて比較する
- 学部や学科の特徴や学べる内容を調べる
- 入試の難易度や必要な学力を確認する
- 入試方式や選抜の内容を調べる
- 通学時間や通学方法を考える
- 学費や奨学金制度等経済面の課題を整理する
進路が早く決まっている場合は、別の選択肢も比較検討してみるよう提案してみるのもひとつの方法です。同じ工業系大学や美術系大学でも、学べる内容や学習環境は大学により異なります。最初に興味を持った大学だけにこだわりすぎず、広い視野で志望校を検討することで、進路選択により納得感が生まれます。
パターン2.子どもの進路が決まっていない場合
お子さまの進路が決まっていない、あるいはやりたいことを見つけられていない場合は、焦らせずに選択肢を広げていく姿勢が大切です。無理に意見を押し付けず、さまざまな選択肢を一緒に検討してみましょう。たとえば、以下のようなサポートがおすすめです。
- 大学進学や専門学校、就職等、幅広い進路を一緒に調べてみる
- 興味を持ちそうな分野の体験イベントやオープンキャンパスに参加する
- 本や動画を通じて多様な職業を知るきっかけを与える
- 得意なことや好きなことを一緒に振り返る
焦って進路を決めさせてしまうと、「自分には合わない」と感じて後から変更せざるを得なくなるリスクがあります。親はあくまで伴走者であることを理解し、本人が納得して選べるよう支えていきましょう。
パターン3.子どもが進路の話を嫌がる場合
進路について話したがらないのは、将来の姿をまだ思い描けていないことが理由かもしれません。また、過去の否定や意見の押し付け等の経験により、「話してもどうせ否定される」と進路について話すこと自体に負担を感じているケースも考えられます。
このような状況では、まず親の意見を伝えるのではなく、本人の気持ちや希望を聞き出すことが大切です。たとえば趣味や学校の話題といった軽い内容から始めると、自然に話を引き出しやすくなります。進路の話を嫌がる場合は、無理に答えを引き出そうとせず、安心して話せる雰囲気を整えることを意識しましょう。
それでもなかなか本音を話してくれず、焦るお気持ちがあるかもしれません。そんなときは、専門家に相談してみるのも一つの方法です。客観的かつ専門的な視点を取り入れることで、新しい接し方が見えてくる場合があります。
パターン4.子どもと意見が合わない場合
お子さまが進路を決めていても、親の考えと一致しないことは珍しくありません。「志望校の難易度が高い」「将来の収入が安定しにくい職業を目指している」「学費や立地の条件面で意見が分かれる」といった事例がよく見られます。
意見が食い違うときは、まず本人の考えをじっくり聞き、なぜその進路を選びたいのかを理解することが大切です。そのうえで、親としての懸念点を冷静に伝えれば、お子さまにとって別の視点から進路を考えるきっかけになります。「その大学は実家から通えないからダメ」「その職業は収入が安定しないから避けるべき」と一方的に否定するのではなく、互いに理解を深める対話を心がけましょう。親子のコミュニケーションを重ねることで、最終的に本人が納得のいく選択をする助けになります。
子どもの進路決定で親ができる5つの行動
進路を最終的に決めるのは本人ですが、その過程において保護者さまのサポートも大きな役割を果たします。希望を聞いて一緒に考えたり、情報収集を手伝ったりすることで、お子さまに安心感や判断への自信を与えられます。以下に紹介する方法を参考にしながら、どのようなサポートができるのかを考えてみましょう。
1.希望を聞き一緒に考える
進路を考えるうえで大切なのは、まず「本人がどのような希望を持っているのか」を丁寧に聞くことです。親の意見を押し付けるのではなく、お子さまが持つ将来への思いを尊重しながら進路を一緒に検討しましょう。たとえ親子の意見が違っていても、最初から否定してしまうと本音を話しにくくなります。
将来やりたいことや興味がある職業がなんとなくイメージできている場合は、それを実現できる進路を一緒に考えてみましょう。たとえば動物に関わる仕事に興味があるなら、「具体的にどのような職業があるのか」「必要な知識や資格は何か」といった視点を親が示すと、本人が自分の考えを深めやすくなります。
2.興味や関心に合った情報を集める
お子さまが自分に合った進路を見つけるには、入念な情報収集が欠かせません。進路を判断するための材料を増やせるよう、興味や関心に沿った情報を集める手助けをしましょう。具体的には、以下のようなサポートが挙げられます。
- 希望する学部や学科で学べる内容を整理する
- オープンキャンパスや体験イベントへの参加を促す
- 学校や進路説明会の資料を共有し、比較検討の手助けをする
情報を提示するときは、「この学校にしなさい」と決めつけず、「こういう選択肢もあるよ」と紹介する程度にとどめるのがポイントです。お子さまが自ら考えて選択できるように後押しするサポートが、納得できる進路選びにつながります。
3.精神的にサポートする
受験期は精神的に不安定になりやすい時期です。そのため、情報収集や学習環境の整備といった直接的なサポートに加え、精神的なサポートも親ができることのひとつです。たとえば「勉強中の息抜きに好物を用意する」「本人のやりたいことを否定せず尊重する」「味方でいる」といった関わり方が挙げられます。
また、進路や学習に関する悩みに寄り添う姿勢を心がけ、あえて必要以上に口出ししないことも重要です。信じて任せることで、自分のペースで受験に臨み、落ち着いて学習や準備に取り組めるようになるお子さまもいます。
4.学習環境を整える
集中力は、お子さまのやる気だけでなく環境にも大きく左右されます。静かに勉強できる場所や使いやすい設備を整えましょう。たとえば、以下のような方法が挙げられます。
- 自宅に静かで集中できる勉強スペースを確保する
- 本人の学習スタイルに合った塾や予備校を選ぶ
- 学習にかかる費用や大学進学に必要な資金を計画的に準備しておく
学習環境を整えることにより、本人は他の不安や悩みに気をとられることなく、進路に向けた勉強と準備に専念できます。物理的、経済的、心理的といったさまざまな面からサポートすることが、目標達成を後押しするポイントです。
5.専門家に相談する
進路について迷いや不安がある場合は、専門家への相談もおすすめです。専門家は、親子だけでは得られない情報や進路の選択肢を把握しているため、明確な根拠に基づいた的確なアドバイスをもらえます。また、親には話しづらいお子さまの気持ちや悩みを、第三者である専門家を通して理解できるのもメリットです。
個別指導塾のKECでは、一人ひとりの希望や状況に合わせた進路サポートを行っています。学習面だけでなく、精神面や将来の選択についても丁寧に相談に応じていますので、不安を感じている方はぜひ無料相談をご活用ください。
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進路へのアドバイスは、伝え方によってお子さまが受け取る印象が大きく変わります。お子さまの気持ちを否定したり、意見を押し付けたりせず、前向きに考えられるようなサポートを心がけることが大切です。親子での意見衝突を避けるためにも、進路についてアドバイスを伝える際は以下のポイントを意識しましょう。
マイナスの発言は避ける
アドバイスのつもりでも、お子さまの進路に対しマイナスな発言は避けるようにしましょう。特に「とりあえず近い大学にすればいい」「どこの大学でも同じ」といった否定的な発言は、本人のやる気を奪うことになりかねません。また、「自分の高校時代はこうだった」「○○学部は就職に不利だからやめておいたほうがいい」等、自分の経験や偏見に基づく発言も、親子での衝突を招く原因になります。
進路についてアドバイスをするときは、保護者さまの言葉が励ましとなるよう、肯定的な伝え方を心がけましょう。本人の希望や興味を尊重する前向きな言葉選びを意識すれば、お子さまは目標に向かってモチベーションを高めやすくなります。
過干渉にならないよう注意する
将来の進路を心配するあまり、つい口を出しすぎて意見を押し付けてしまうのはよくある失敗です。しかし過干渉は、お子さまの主体的な判断や自立心を妨げる要因になります。「親に決められた」という感覚が強まれば、進路選択や学習に対するモチベーションも下がりかねません。
親としてお子さまの将来を心配するのは当然ですが、不安があっても選択の主体はあくまで本人であるとしっかりと理解する姿勢が大切です。サポートをしつつも最終的な判断はお子さまに委ね、アドバイスをする際の伝え方には十分に配慮しましょう。
アサーティブコミュニケーションを意識する
進路の話になるとつい感情的になり、うまく気持ちを伝えられないことがあります。そんなときは効果的なのが「アサーティブコミュニケーション」です。アサーティブコミュニケーションとは、相手を尊重しながら話を聞くのと同時に、自分の意見も率直に伝える手法です。
親子でこの手法を意識すれば、冷静に会話を続けながら意見交換ができ、自分の考えを整理する力も養えます。さらに、受験の面接や学校生活で必要とされるコミュニケーション能力の向上にもつながります。
アサーティブコミュニケーションの方法
アサーティブコミュニケーションのポイントは以下の4つです。
- 第三者の言葉を入れず、自分を主語にストレートに気持ちを伝える
- 相手を対等に見る
- 相手の意見を受けとめつつ自分の気持ちを伝える
- 結果に不満があっても、自分に責任があるととらえる
「〇〇さんがこう言っていた」「世間からの評判が悪い」等、第三者の言葉を使った伝え方では、本当の気持ちは伝わりません。「私はこう思う」と自分の言葉でお子さまに意見を伝えるのが大切です。
たとえば「そんな夢は無理だよ」ではなく、「私はあなたの夢を応援したいけど、同時に現実的な準備も必要だと思っているよ」のように伝えると、お子さまも前向きに受けとめやすくなります。
その際、親の立場を利用して意見を押し付けたり、自分の指示に従わないからといって叱ったりするのは避けましょう。
子ども自身に選択させる
進路についてアドバイスをする際、「〇〇大学にすれば?」「〇〇学部にしなさい」とつい具体的な指示を出したくなることもあると思います。しかし、親の意見を押し付けるとお子さまにプレッシャーを与え、やりたいことや興味を見失う原因になりかねません。情報提供や考え方のヒントを示すサポート役に徹しましょう。
進路のサポートで大切なのは、最終的な選択を本人に委ねることです。人生の大きな節目を親が決めるのではなく、自分で考え判断する経験を通じて、主体的に学び考える力が育ちます。
お子さまを全面的にサポートするならKEC Glows
大学受験は家庭だけで十分に対策するのは難しいのが実情です。関西在住のご家庭向けに個別指導塾を展開するKEC Glowsでは、「人間大事の教育」を理念に掲げ、お子さま一人ひとりの主体性を尊重しながら、合格のための学習指導にとどまらず、後悔のない進路選択やご家庭全体を支えることを大切にしています。
そのため学期ごとに、お子さま、保護者さま、専門家の3者で面談を行い、学習方法や将来の進路について定期的に話し合いながら学習を進めるスタイルが特徴です。
専門家を交え親子で一緒に考えることで、進路についての理解が深まるのはもちろん、親子のコミュニケーションの改善や信頼関係の強化にもつながります。無料相談や無料体験授業にも対応しているため、進路選びや親子の関わり方に不安がある方は、まずお気軽にご相談ください。
まとめ
お子さまの進路選びは、本人の希望を尊重しながら保護者さまが適切にサポートすることが大切です。進路が決まっている場合は選択肢の確認や情報提供を、決まっていない場合は幅広い可能性を示しながら一緒に考えていきましょう。進路の話を嫌がるお子さまには、無理に意見を押し付けず聞き役に徹し、気持ちを引き出すことがポイントです。
進路に関する悩みを親子だけで解決するのが難しい場合は、専門家に相談するのも有効です。第三者の意見を交えることで冷静に判断でき、納得のいく進路選択につながります。
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この記事を書いた人
KECの総合型選抜対策専任講師 山﨑
KECの専任講師。後悔しない進路を一緒に見つける「寄り添い型の進路指導」が生徒から支持されている。マーケティングの責任者を兼任し、より多くの悩める受験生とその保護者様に価値を届けるため奔走中!