総合型選抜とは

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お子さまの大学受験を控え、「AO入試とは何だろう?」「推薦入試や一般入試とどう違うの?」と疑問に思われている保護者さまの方も多いのではないでしょうか。近年では、従来のAO入試に代わって「総合型選抜」という入試方式が導入され、国公立大学や私立大学でも幅広く実施されています。本記事では、AO入試と総合型選抜の違い、推薦入試や一般入試との比較、そして実際の合格率や注意点までを分かりやすく解説します。

総合型選抜(旧AO入試)とは?

お子さまが大学受験を迎えるにあたり、「総合型選抜」「AO入試」という言葉を耳にして戸惑う保護者さまの方も少なくありません。近年、大学入試制度は大きく変化しており、令和3年度入学者からは、従来の「AO入試」が「総合型選抜」という名称に改められました。

総合型選抜は、学力試験だけでは測れない能力や個性、意欲を持つ学生を評価する制度として知られています。単に学力の点数だけではなく、面接や志望理由書、小論文、課外活動の実績等を総合的に判断する点が特徴です。そのため、学習成績に自信がない場合でも、自分の強みをアピールできる受験方法として注目されています。

しかし「名称が変わっただけ」ではなく、総合型選抜になってから出願条件や評価の基準に変更が加えられた大学も多くあります。

AO入試とは?

AO入試とは、総合型選抜の旧名称です。AOとは「Admissions Office(アドミッションズ・オフィス)」の略で、大学のアドミッションポリシー(求める学生像)に沿って学生を選抜する方式です。各大学が「どんな学生に入学してほしいか」を明確に掲げ、その基準にマッチする人物を面接や書類で見極めていました。

ただし当時のAO入試には、学力試験を全く課さず、意欲や人物面だけで合否を判断する大学も存在しました。その結果、「学力不足の学生が入学するのでは」「公平性に欠ける」といった批判も生じていました。

総合型選抜とは?

現在の総合型選抜は、大学が掲げるアドミッションポリシーに基づき、学力や人物像を含め多面的に学生を評価する入試方式です。

推薦入試と異なり、高校からの推薦状は基本的に不要です。そのため「評定平均が足りないから推薦入試は受けられない」という生徒でも挑戦できるケースがあります。面接や志望理由書の内容、小論文やプレゼンテーション、活動実績等幅広い観点で評価されるのが特徴です。

一方で、総合型選抜では「学力の3要素」も評価対象に含まれるため、単に課外活動の実績だけを強調すればよいわけではありません。例えば小論文やプレゼンでは、自分の経験や将来の目標を、論理的に表現する力が求められます。

総合型選抜は、自分の強みを活かして受験できるチャンスである一方、万全な準備が必要な入試でもあります。早い段階から志望理由を整理し、大学が求める人物像に沿った自己PRを磨くことが合格への鍵です。

大学入試の種類

大学入試にはさまざまな方式がありますが、大きく分けると「一般選抜」「学校推薦型選抜」「総合型選抜(旧AO入試)」の3種類に分類されます。それぞれ出願時期や選考方法、出願資格、合格発表のタイミングが異なるため、受験生とその保護者さまにとっては「どの方式に挑戦するのが最適なのか」を理解するのが重要です。以下、総合型選抜(旧AO入試)を軸に、一般選抜や学校推薦型選抜との違いを整理します。

入試方式 出願時期 選考方法 出願資格 合格発表
総合型選抜(旧AO入試) 9月1日から出願開始が中心 面接・志望理由書・小論文・プレゼン・活動実績などを総合評価 大学ごとに条件あり(資格・検定、活動実績など) 10〜11月
学校推薦型選抜(推薦入試) 高校に8月ころに出願し推薦決定後、11月以降に大学へ出願 調査書・推薦書・小論文・面接など。大学によって学科試験を課す場合もあり 学校長の推薦が必要。評定平均などの条件あり 11〜12月
一般選抜 12月下旬〜翌年2月出願、試験は1〜3月 学力試験(大学入学共通テスト+大学独自試験) 高校卒業(見込み)であれば原則誰でも可 2〜3月

総合型選抜(旧AO入試)と一般選抜の違い

総合型選抜は、出願が9月1日からと早く、選考も秋から冬にかけて進みます。一方で一般選抜は早ければ12月下旬ごろから出願が始まり、試験は1月〜3月に集中します。そのため、総合型選抜の方が早い段階で進路を確定できます。

受験資格にも違いがあります。一般選抜は大学が定める入学資格(高校卒業見込み等)を満たせば、原則として誰でも出願できます。一方、総合型選抜は大学ごとに設定される「出願条件」をクリアする必要があり、課外活動や志望理由、資格・検定等を条件とするケースも珍しくありません。

さらに、選考方法にも大きな違いがあります。一般選抜は学力試験が中心で、大学入学共通テストや個別試験の点数が合否を大きく左右します。対して総合型選抜は、面接・志望理由書・小論文・プレゼンテーション等を重視し、学力だけでは測れない個性や意欲を評価します。

総合型選抜(旧AO入試)と学校推薦型選抜(推薦入試)の違い

従来「推薦入試」と呼ばれていたものは、現在「学校推薦型選抜」と名称が変更されました。学校推薦型選抜には公募制と指定校制の2種類があり、出願時期は主に総合型選抜と一般選抜のちょうど中間である11月1日からです。

書類審査や面接、小論文やプレゼンテーション等多面的な評価が行われる点では総合型選抜と似ています。大きな違いは、出願に学校長の推薦が必要である点です。つまり、学校推薦型選抜は「高校の推薦がなければ受験できない」方式であり、校内での評定平均や生活態度も重要になります。

学校推薦型選抜の「公募制」とは?

2種類ある学校推薦型選抜のうちのひとつが「公募制」です。公募制では、特定の高校に限定されず、出願条件を満たし学校長の推薦があれば受験できます。例えば「評定平均〇以上」や「特定の資格を所持」等の条件が設定されるケースもあります。

関西圏の大学では、公募制推薦であっても学科試験を課すケースが多いのも特徴的です。つまり、推薦とはいえ学力が重視される大学もあるため、事前に志望校の募集要項の確認が欠かせません。

学校推薦型選抜の「指定校制」とは?

2種類ある学校推薦型選抜のうちのもうひとつが「指定校制」です。「指定校制」は、大学が指定する特定の高校に在籍する生徒のみが対象となる制度です。各高校に推薦できる人数枠が割り当てられており、その範囲内で校内選考が行われます。

指定校制の大きな特徴は、校内選考を通過すれば大学側で不合格になるケースが少ない点です。多くの大学で極めて合格率が高く、実質的に合格が保証されやすい制度とされます。

ただし、推薦枠の数は限られており、校内での評定平均や学習態度、生活面での評価が大きく影響します。保護者としては、早い段階からお子さまの成績や生活態度を整え、指定校推薦を狙えるポジションを確保するのが重要です。

総合型選抜(旧AO入試)の5つのメリット

大学入試と聞くと、多くの方が一般選抜をイメージされるかもしれません。しかし現在では総合型選抜(旧AO入試)を利用する受験生が増えています。理由のひとつは、単なる学力試験ではなく、お子さまの個性や強みを活かせる入試制度であるからです。総合型選抜には、一般入試や学校推薦型選抜にはないメリットが数多くあります。ここでは、代表的な5つのポイントを解説します。

1.早く入試が終わる

総合型選抜は出願・選考の時期が早く、合格発表も早期に出るのが特徴です。早めに合格が決まれば、その後は学習や高校生活に専念でき、心理的な負担を大きく減らせます。そして万一不合格であった場合も、学校推薦型選抜や一般選抜までに時間があるため、次の入試へ切り替えやすい点もメリットです。

2.一般入試より倍率が低い場合がある

一般入試は多くの受験生が集中するため、高倍率になるのが一般的です。しかし総合型選抜は、出願条件や準備の大変さから挑戦する受験生が限られるため、競争率が低くなる場合があります。実際の例を見てみましょう。

大学名 学部 総合型選抜 倍率 一般選抜 倍率(前期日程)
龍谷大学 心理学部(独自方式) 2.38倍(※) 5.85倍
京都産業大学 法学部 法律学科 1.43倍 2.0倍
(※)志願者数に対する倍率

参照元:龍谷大学|総合型選抜入学試験(学部独自方式)
(URL:https://www.ryukoku.ac.jp/admission/nyushi/data/2025/sogo/sogo_01.pdf)

参照元:龍谷大学|一般選抜入試 共通テスト併用方式を除く[前期日程]
(URL:https://www.ryukoku.ac.jp/admission/nyushi/data/2025/ippan/ippan1.pdf)

参照元:京都産業大学|2025年度入試統計 総合型選抜(AO入試) 統計
(URL:https://www.kyoto-su.ac.jp/mt_uploads/a1730444719793.pdf)

参照元:京都産業大学|2025年度入試統計 一般選抜入試[前期日程](スタンダード3科目型)の統計
(URL:https://www.kyoto-su.ac.jp/mt_uploads/2025_zenki_sta3.pdf)

上記のように、同じ大学でも方式によって倍率に差があります。特に人気のある大学をめざす場合、総合型選抜を併用すると、合格の可能性を高められます。

3.逆転合格できる可能性がある

模試で思うような判定が出ていない場合でも、総合型選抜では人物評価や活動実績が重視されるため、一般入試よりも合格の可能性を広げられます。競争率が比較的低い大学もあるため、チャンスを掴みやすい入試方式です。

もちろん基礎学力は必要ですが、学力指標がすべてではなく、志望理由や将来の目標、課外活動での経験を効果的にアピールすることで、合格の可能性を高められます。「一発勝負」の学力試験だけに頼る一般入試とは大きく異なる点であり、受験生にとって心強い選択肢です。

4.学力以外の強みをアピールできる

総合型選抜では、部活動での活躍やボランティア経験、留学や資格取得など、学力以外の多様な取り組みも合否に影響します。リーダーシップやコミュニケーション能力のように、人柄や姿勢が評価されるのも特徴です。

他の受験生に学力で差をつけられていたとしても、自分の強みを上手く表現できれば合格に近づけます。保護者の視点からすると、お子さまのこれまでの努力や活動が「入試でプラス評価になる」というのは大きな安心材料になるでしょう。

5.併願が可能で受験回数を増やせる

総合型選抜を利用することで、受験計画の幅を広げられます。たとえば総合型で早めにチャレンジしつつ、学校推薦型や一般選抜にも挑戦するなど、複数の入試方式を組み合わせる戦略がとれます。

総合型選抜は出願や試験の時期が早いため、早く合格が決まれば安心して残りの時間を過ごせます。逆に不合格だった場合でも、まだ推薦や一般入試に向けて準備する時間が残されているため、受験リスクを分散できる制度として活用できます。

総合型選抜(旧AO入試)の2つのデメリット

総合型選抜(旧AO入試)は、学力試験では測れないお子さまの個性や意欲を評価してもらえる入試方式として注目を集めています。一方で、どんな入試方式にもメリットとデメリットがあり、総合型選抜も例外ではありません。以下、特に注意しておきたい2つのデメリットを解説します。

1.大学によっては専願となる

総合型選抜は、大学によっては「専願」となる場合があります。専願とは、その大学に合格したら必ず入学することを条件とす

るもので、他大学との併願ができません。つまり、「とりあえずチャレンジしてみよう」と軽い気持ちで受験するのは危険です。

専願制度を設けている大学では、総合型選抜で合格した時点でその大学への進学が決まるため、お子さまの志望度を確認してから受験する必要があります。

もちろん、すべての大学が専願というわけではありません。併願を認めている大学も多いため、志望校の入試要項を丁寧に確認するのが大切です。保護者としても、「もし合格したら本当にこの大学に進学するのか」という点を事前に話し合っておくと安心です。

2.合格基準が明確ではない

一般選抜は、得点によって合否が決まるシンプルな仕組みです。一方で総合型選抜では、面接や志望理由書、小論文等の評価が中心となります。そのため「どの程度できれば合格できるのか」という基準が明確ではありません。

例えば面接では、志望理由の内容や話し方、態度に加え、面接官とのやり取りの雰囲気が結果に影響することもあります。志望動機を十分に準備していても、当日に緊張して伝えきれなかったり、質問の意図をうまくつかめなかったりすると、評価が下がる可能性があります。

そのため多くの受験生は、塾や専門の指導サービスを利用し、面接練習や志望理由書の添削を受けています。保護者としても、「準備次第で大きく結果が変わる入試方式」であると理解し、早めに対策を進めるのが重要です。

総合型選抜(旧AO入試)で評価される学力の3要素

総合型選抜(旧AO入試)は、社会で自立して活動していくために必要な「学力の3要素」を重視しているのが特徴です。文部科学省が掲げる教育方針に基づいたもので、大学入学後だけでなく将来の社会生活を見据えた評価基準とされています。

学力の3要素とは、以下の3つです。

  1. 基礎的な知識・技能
  2. (1をもとにした)思考力・判断力・表現力
  3. 主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

従来の「暗記中心の学力」だけでなく、自分で考え、他者と協力しながら学びを発展させる力が求められています。以下でそれぞれ詳しく解説します。

1.知識・技能

まず重視されるのは、各教科に関する基礎的な知識・技能です。「何を知っているか」「何ができるか」を意味しており、単なる暗記ではなく、学習した内容を理解し応用できる力が求められます。

例えば、以下のような力です。

  • 英語の授業で習った文法や単語を使って自分の意見を文章にまとめる
  • 数学の公式を使って身近な課題を解決する
  • 理系科目の知識をニュースや社会問題と関連づけて考える

入試でも、小論文やプレゼンテーション課題でこうした力が試されるケースがあります。

2.思考力・判断力・表現力

次に重要なのが、思考力・判断力・表現力です。知識や技能を身につけているのを前提として、それをどう活かすかが問われます。

例えば、ある社会問題について「なぜ起きているのか」「どう解決できるのか」を考え、自分の意見を組み立てるときに必要なのが思考力や判断力です。そして、その考えを他者に伝える際には表現力が欠かせません。

総合型選抜では、小論文やグループディスカッションを通じて、こうした力を見極めようとする大学が多くあります。単に正解を答えるのではなく、自分の考えを論理的に示せる力が評価されます。

思考力や表現力は、社会に出てからも重要な能力です。就職活動や仕事でも、自分の考えを的確に言語化し、相手に伝える力は大きな強みとなります。その意味で、大学受験の段階からこうした力を評価されることには大きな意義があるわけです。

3.主体性・多様性・協働性

最後に求められるのが、主体性・多様性・協働性です。「知識・技能」や「思考力・判断力・表現力」の上に成り立つもので、主体的に学習に取り組む姿勢や、異なる価値観を持つ人と協力する態度そのものを指します。

具体例は、以下の通りです。

  • 学校の部活動や地域活動でリーダーシップを発揮した経験
  • 文化祭やボランティアで仲間と協力して成果を出した経験
  • 異文化交流を通じて多様性を理解した経験

入試の場面では、面接やグループワーク、自己PR文等を通して確認されます。面接官は「主体的に学んできたか」「他者と協力する力があるか」を、エピソードや態度から判断します。普段の学びや活動をどう紐付けてアピールするかが、入試での評価につながります。

総合型選抜(旧AO入試)の選考方法

総合型選抜(旧AO入試)の選考方法は「書類審査」「面接」「小論文」の3つが中心であり、「書類審査+面接」「書類審査+小論文+面接」等、大学ごとにさまざまな組み合わせで行われます。

さらに、学力試験を課したり、模擬授業を体験したうえでレポートを書かせたりする大学もあります。つまり、総合型選抜を受験する際には、志望校の選考方法を事前に確認し、それに合わせた対策を進めるのが何より重要です。以下、それぞれの選考方法について詳しく解説します。

書類選考

総合型選抜で最初に行われることが多いのは書類選考です。提出する書類としては、志望理由書や自己推薦書、調査書(内申書)、活動報告書等があり、大学によって内容が異なります。

調査書には成績だけでなく、学習態度や生活面、欠席日数等も記録されているため、日頃の学校生活も評価の対象となります。また、自己推薦書や志望理由書では「なぜその大学を志望するのか」「自分はどんな人物なのか」を論理的に表現する力が必要です。

実際の合格率を見てみると、書類選考の段階で多くの不合格者が出ることが分かります。例えば同志社大学では、2025年の総合型選抜では志願者152名のうち、第1次審査を通過したのは59名です(約39%)。つまり61%が選考で不合格となっています。

参照元:同志社大学|【総合型選抜】2025年度 アドミッションズオフィス方式による入学者選抜(AO入試) 結果
(URL:https://www.doshisha.ac.jp/files/nyugk/page/2025_AO.pdf)

龍谷大学の場合、志願者187名のうち、1次選考通過者は102名(約54%)です。こちらも約46%と多くの人が書類で不合格となっています。

参照元:龍谷大学|2024(2025入試)年度総合型入学試験(学部独自方式)
(URL:https://www.doshisha.ac.jp/files/nyugk/page/2025_AO.pdf)

このように、大学によっては半数以上が一次審査(書類選考)で落とされているのが現状です。総合型選抜では、出願書類の完成度が合否を大きく左右します。出願対策の第一歩として、「自己推薦書の書き方」を理解し、早めに準備を始めることが欠かせません。

関連記事:志望理由書と自己推薦書の書き方ガイド|ポイントと例文【総合型選抜】

面接

書類選考を通過すると、多くの大学で面接試験が行われます。形式は大学ごとに異なり、個人面接や集団面接、グループディスカッション、プレゼンテーション型の面接を取り入れているところもあります。

面接で見られるのは、学力ではなく、その大学が求める人物像に合っているかどうかです。大学のアドミッションポリシーに基づき、学ぶ意欲、主体性、協調性、将来の目標等が評価されます。

よく聞かれる質問の例は以下の通りです。

  • なぜこの大学、学部を志望したのですか?
  • 高校生活で力を入れて取り組んだことは何ですか?
  • あなたの長所と短所を教えてください。
  • 卒業後にどんな進路を考えていますか?
  • (特定の社会課題)についてどう思いますか?

上記の質問に対して、その場しのぎではなく、自分の考えを筋道立てて話すのが重要です。模擬面接や練習を繰り返し、自信を持って答えられるよう準備しましょう。

関連記事:総合型選抜(旧AO入試)の面接でよく聞かれる質問と答え方

小論文

総合型選抜では、二次試験で小論文が課される大学も多くあります。傾向としては、1時間で800字前後の課題が主流です。テーマは大きく分けて2つに分類されます。

まずは、専攻分野に関するテーマです。経済学部であれば「人口減少が経済に与える影響」、文学部であれば「言語の多様性と文化の関係」等、それぞれの分野に合ったテーマで小論文を書きます。

また、一般教養に関するテーマも問われます。例えば「AIと人間社会」「環境問題と持続可能な社会」等、幅広い視点を問うものです。小論文では、知識そのものよりも、自分の考えを論理的に展開し、根拠を示して主張する力が評価されます。限られた時間の中で構成を整え、結論まで書き切るトレーニングが必要です。

小論文が苦手なお子さまでも、書き方の型を身につければ安定した得点を狙えます。「序論」「本論」「結論」の三部構成を意識し、日頃からニュース記事や専門分野に関するテーマを使って練習するのがおすすめです。

総合型選抜(旧AO入試)の実施状況

令和7年度(2025年度)入学者選抜では、総合型選抜(旧AO入試)の実施状況に大きな特徴が見られます。まず、国公立大学全体で見ると、全体の69.8%にあたる125大学が総合型選抜を実施しています。

特に注目すべきは国立大学です。国立大学の85.2%にあたる、69大学が総合型選抜を導入しています。かつて「私立大学中心」と思われがちだった総合型選抜ですが、今では国立大学でも広く実施されています。

参照元:文部科学省|令和7年度入学者選抜について
(URL:https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/senbatsu/1412102_00010.htm)

一方で、実施していない大学や学部も存在するため、保護者としては「志望校が総合型選抜を取り入れているか」をチェックしなければなりません。大学公式サイトや募集要項で確認ができます。

合格率は、一般選抜と比べるとやや高い傾向があります。出願条件が設定されていたり、志望理由や活動実績等を重視していたりするため、受験生の母集団がある程度絞られるのが要因のひとつです。

総合型選抜は今や多くの大学で実施されており、特に国立大学でも導入が進んでいるため、受験生にとって重要な選択肢になっています。保護者としては、総合型選抜の出願条件や評価方法を理解し、早い段階から準備を進められるようサポートするのが重要です。

総合型選抜(旧AO入試)に向いている人の特徴3選

総合型選抜(旧AO入試)は、学力試験の点数だけではなく、受験生の人物像や将来の可能性を重視する入試方式です。そのため「どんな生徒が向いているのか」という疑問を持つ保護者の方も多いでしょう。以下、総合型選抜で高く評価されやすい3つの特徴を解説します。

1.主体性がある

まず重要なのは、主体性を持って行動できるかどうかです。授業で疑問に感じたことを自分で調べたり、部活動でチームの課題を分析して解決策を提案したりといった行動は、主体性の表れとして高く評価されます。

大学が重視する「学力の3要素」にも「主体性・多様性・協働性」が含まれているため、自ら課題を見つけ、解決に向けて動いた経験は大きなアピールポイントになります。保護者の方は、お子さまの普段の取り組みで「自ら動いた経験」を一緒に振り返り、エピソードを整理しておきましょう。

2.資格や部活動、探究活動等の実績がある

次に重要なのが、資格や部活動、探究活動等の実績です。例えば、英検や漢検等の資格取得、部活動での大会出場、文化活動での成果、探究活動の成果やコンテストなどに入賞した実績は評価材料になります。また、ボランティア活動や海外留学といった経験も強みになります。

ただし、実績そのものよりも「その経験を大学でどう活かしたいか」を語れることが重要です。例えば「英検2級を取得した→語学力を活かして国際交流活動に参加したい」「部活動でリーダーを務めた→将来は組織をまとめる力を発揮したい」「環境問題に関する探究活動を行いデータの収集・分析と提言を行った → 大学で環境について専門的に学び、より研究として発展させたい」といったように、実績を将来の目標につなげる姿勢が高評価につながります。

3.熱意がある

大学で学ぶ内容や、将来のキャリアに対する強い熱意も、総合型選抜で高く評価される要素です。入試では「なぜこの大学で学びたいのか」「卒業後にどのような分野で社会に貢献したいのか」といった質問がよく出されます。その際に、単なる希望を述べるだけでは不十分です。自分の言葉で具体的に未来像を描き、強い意欲を示せるかどうかが合否を左右します。

例えば高校時代に課題研究に打ち込み、その過程で社会問題や専門分野に強い関心を持った経験は、熱意を裏付ける根拠になります。「将来持続可能な社会づくりに貢献するため、高校で取り組んだ環境問題の研究を大学でさらに発展させたい」のように、過去の学びと未来の目標を一貫したストーリーで結びつけるとよいでしょう。

それから単なる自己満足ではなく、大学での学びが社会にどのような価値を生み出すのかを意識して語るのも重要です。具体的な経験や目標、社会的意義と結びつけて表現し、入試担当者に「この学生は大学の理念に合致している」と思わせられれば、合格がぐっと近づきます。

総合型選抜(旧AO入試)で合格するためのポイント3選

総合型選抜(旧AO入試)は、学力試験の点数だけでなく、受験生の人物像や将来性を重視する入試方式です。一般入試と比べると合格率がやや高い傾向はあるものの、十分な準備をしなければ合格は難しいのが実情です。以下、総合型選抜で合格をめざすための3つのポイントを解説します。

1.自分自身と大学について深く理解する

総合型選抜では、大学が掲げるアドミッションポリシーに、自分の経験や強みをどのように結びつけて説明できるかが問われます。

例えば「高校で文化祭の実行委員を務め、企画運営の経験を積んだ」という経験を単なる実績として語るのではなく、「その経験を通じて得た主体性や協調性を、大学の学びでさら

に発展させたい」といった形でアピールします。自分のエピソードを大学の教育方針に沿って語れるように準備しましょう。

2.志望校に合った対策を行う

総合型選抜は大学ごとに試験内容が異なり、書類審査と面接のみの大学もあれば、小論文やプレゼンテーションを課す大学もあります。そのため、志望校の入試要項やアドミッションポリシーを早めに確認し、必要な対策を明確にしなければなりません。

大学が重視するポイントは、公式Webサイトやパンフレットで確認できます。例えば「地域貢献」を掲げる大学なら、地域活動やボランティア経験を強調するのが効果的です。こうした準備を早い段階から始めれば、説得力のある自己アピールにつながります。

3.総合型選抜対策を行っている塾に通う

総合型選抜は、書類審査、面接、小論文と幅広い対策が必要であり、独学では準備が難しい面があります。特に面接での受け答えや小論文の構成力は、塾に通いプロの専門指導を受けるだけでも格段に改善されます。

多くの塾では、志望理由書の添削や模擬面接、小論文対策などを専門的に行っています。第三者の視点で強みや改善点を指摘してもらえるため、自分では気づきにくい課題にも対応できます。また、保護者にとっても、外部のサポートを活用すれば安心して受験準備を進めやすくなります。

総合型選抜(旧AO入試)対策ならKEC

お子さまの総合型選抜(旧AO入試)対策を進めるにあたり、「どのように自己PRをすれば良いのか」「志望理由をどう整理すればいいのか」と悩むご家庭は少なくありません。特に総合型選抜は、学力試験の点数だけでなく人物面を多面的に評価する入試方式であるため、独学での準備が難しいこともあります。

そこでおすすめしたいのが、関西の受験生を対象にした「KEC」の総合型選抜対策授業です。KECでは、まずお子さまの特性を丁寧に分析します。「積極性」「協調性」「論理性」等、お子さまの強みを言語化し、総合型選抜で評価される要素に結びつけていきます。

また、総合型選抜では「志望理由書」が必ず求められます。KECでは、経験豊富な講師との対話を通じて、お子さまの経験や関心を掘り下げ、大学のアドミッションポリシーに沿った志望理由へと整理します。

KECの大きな強みは、「カンザキメソッド」と呼ばれる独自の自己PR戦略設計法です。お子さまの経験や強みを効果的に組み合わせ、面接や小論文でも一貫してアピールできる戦略を作り上げます。保護者の方も安心して任せられるよう、定期的な進捗共有も行っています。ぜひ、一度ご相談ください。

総合型選抜(旧AO入試)に関するよくある質問

以下、特によく寄せられる質問にお答えします。

総合型選抜(旧AO入試)はいつから対策をするべきですか?

対策は早く始めるほど効果的です。総合型選抜では評定平均や課外活動、資格等も評価の対象となるため、早く準備を始めるほど有利になります。

準備開始の理想的なタイミングは、高校2年生の夏までです。この時期から取り組むと、平均評定を安定させたり、必要な資格取得の計画を立てやすくなります。ただし、高校3年生になってから対策を始め

ても間に合わないわけではありません。短期間でも集中して志望理由書や面接の準備を進めれば、十分に合格を狙えます。

総合型選抜(旧AO入試)対策でおすすめの資格は?

資格は合否を直接決める要素ではありませんが、アピール材料や出願条件として役立つことがあります。特におすすめされるのは以下のような資格です。

  • 英語系資格:英検(2級以上を条件とする大学もあり)、TOEIC、TOEFL
  • ビジネス、実務系:簿記検定、ITパスポート等
  • 学力系:漢字検定、数学検定等

英語系の資格は特に評価されやすく、大学によっては出願条件として明記されている場合もあります。その他の資格も「自分が何を学んできたか」「将来どう活かすか」を説明できれば十分なアピールになります。資格は早めに準備しなければ取得が難しいため、総合型選抜を意識し始めた段階で計画的に取り組むとよいでしょう。

欠席が多いと総合型選抜(旧AO入試)に影響しますか?

総合型選抜では、調査書によって欠席日数が確認されます。そのため、欠席の多さは一定程度評価に関わる可能性があります。実際、調査書をチェックし、面接で欠席理由を尋ねられるケースも少なくありません。

ただし病気や家庭の事情等、やむを得ない理由が明確であれば大きな問題にはなりません。医師の診断書や学校からの証明書といった書類を提出できる場合は、誤解を避けるためにも準備しておくと安心です。

一方で、特に理由がなく遅刻や欠席が多い場合には「学習態度に問題がある」と判断される可能性があります。大学は「主体的に学ぶ姿勢」を重視しているため、出席状況はそのまま日常的な態度の表れと見なされるわけです。

もし欠席が多いことを気にしている場合は、その後どのように改善したかをアピールできるとプラスにつながります。例えば「体調管理を意識するようになった」「欠席した授業の内容は自主的に友人や先生に確認し、遅れを取り戻した」等、前向きな取り組みを伝えられれば、むしろ成長の姿勢を示せます。

まとめ

総合型選抜(旧AO入試)は、学力試験だけでは測れないお子さまの個性や主体性、将来の可能性を評価する入試方式です。一般選抜や学校推薦型選抜と比べても、評価基準や対策の方法が大きく異なるため、早めに準備を始めるのが合格への近道となります。

KECでは独自の性格診断でお子さまの強みを見える化し、カンザキメソッドによる自己PR戦略を構築します。大学合格だけでなく、後悔のない進路選択や親子での対話を大切にし、ご家庭全体をサポートする姿勢も特徴です。専任講師が伴走しながら、お子さまが主体的に未来を描けるよう後押しします。まずは無料相談でお気軽にご相談ください。

 

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