青翔中学校
令和7年度(2025年度) 出題傾向/出題形式

適性検査1:国語

1.「理系」色の文章における論理的読解・作文が試される

傾向は変わらず、「理系」色が強い内容の文章を素材とし、設問は「本文内容を『正確に』読み取れているか」を求めるものでした。

作文についても、①過去には「実験」「観察」「図表の内容の文章化」「進化についての考察」が出題されている、②2025年度は「科学技術と自然」が出題された、というように、「理系」色が強い出題が多いです。

2025年度の作文問題については、「社会科」「SDGs教育」などでも触れる内容ではありますが、過去からの出題傾向からは、「理系」としての出題と見るべきでしょう。

なお、「科学技術の発達によって失われる自然」という本文内容を踏まえて、作文の解答は「科学技術との関連」で書くことが妥当です。

2.知識問題・作文問題の重要性

「知識系」といえる設問は2題ですが、作文以外の設問数が7題であることを考えると、知識系で確実に得点することが重要となります。

作文については、過去には「キリンの首が長い理由(正解の範囲が限定的)」などのように「正解とみなされる内容が限定的な作文(『この内容なら正解(不正解)』が明確な作文)」の出題や、2025年度の「一定の観点(=科学技術の発達)に関連させて書く」という出題など、一定の「正解の範囲」があり、受験生間での点差がつきやすい出題です。

 国語領域の問題は大問2
(適性検査1 100点満点(40分) / 国語領域50点・社会領域50点)

本文内容論説文(稲垣栄洋『雑草と日本人』より)
欧米と日本の自然環境・自然観を対比しつつ、「科学技術の発達と自然の関係」
「日本人の自然に対する姿勢の問題点」を指摘する内容
(一)二字熟語の組み立て(「発生」と同じ構成の熟語を選ぶ選択肢問題)
(二)慣用句(「水が豊富である」という観点から成立した慣用句を選ぶ選択肢問題)
(三)本文中の空所補充(自然と人間の関係を表す表現を見つける書き抜き問題)
(四)本文中の空所補充(適切な接続語を選ぶ選択肢問題)
(五)傍線部の説明(傍線部の原因として不適切なものを選ぶ選択肢問題)
(六)本文内容を説明した文の空所補充(2箇所・書き抜き問題)
(七)論旨把握(筆者の主張として適切なものを選ぶ選択肢問題)
(八)作文:日本の自然についての作文
・第一段落:日本の自然が失われている例を一つ書く
・第二段落:自然を守るために自分はどうしていくことができるかについての考えを具体的に書く
・160字以上180字以内

適性検査2:算数

2023年度から試験時間が40分から50分にのびたことにより、小問数が若干増えました。

(2022年度→9問、2023年度→11問、2024年度→13問、2025年度→11問)

また、問題文も非常に長くなっており、読解力が求められるようになりました。

そのため、時間的な余裕はそこまで変わらず、問題に書かれている会話文の中から必要な情報を見つけ、素早く解くことが求められました。

奈良女子大学附属中等教育学校と同様に、途中の式や説明を書く問題が出されます。

青翔中学校は公立の適性検査型としては、比較的易しいレベルの問題を扱う中学校です。

ただし、問題文をきちんと読み込み、またそこから問題を解くヒントなどをつかまなければならないのは、他の適性検査型の入試と同様です。

近年、特殊算と呼ばれるような小学校では習わない問題も出されるようになり、問題の難易度は上がってきています。

普段から、受験算数の問題を取り組んできた生徒にとっては目新しい問題ではありませんが、受験算数の問題を取り組んでこなかった生徒にとっては、難しい内容になっています。

 算数領域の問題は大問1~大問3
(適性検査2 150点満点(50分) / 算数領域75点・理科領域75点)

大問番号小問数内容
[1]3場合の数
(1)カードを使ってできる3けたの整数について答える問題(空欄補充)
(2)6枚のカードを使ってできる2けたの整数の数を求める問題
(3)5枚のカードを使ってできる2けたの整数のうち、12番目に小さい数を求める問題
[2]3比例
(1)砂糖45gに対して必要な強力粉の分量を求める問題
(2)直径24cmの円の面積を答える問題
(3)ピザを作るための材料の分量の割合を求める問題
[3]5資料の調べ方
(1)表に当てはまる数を答える問題
(2)(a)平均値を求める問題
(2)(b)中央値を求める問題
(3)考えられる中央値の数を答える問題
(4)通学時間が30分以上かかる生徒の割合を求める問題

適性検査2:理科

全11問中、記述問題が4問、計算問題が1問、グラフ作成問題が1問、空欄補充問題が4問出題されており、記号選択問題は1問だけとなりました。

出題されている問題の多くは、実験結果をふまえて考える問題が多く、実験結果や資料を読み取る力が要求されるため、普段の演習から「なぜこの結果になるか?」や「この結果から何がわかるか?」を考えて説明する練習をしておかないと解くのが難しくなってきます。

また、実験方法や実験結果から考えて説明するため、時間配分にも十分注意して問題を解く必要があります。

 理科領域の問題は大問4・大問5 小問11問。
(適性検査2 150点満点(50分) / 算数領域75点・理科領域75点)

大問番号小問数内容
[4]5(1)①こん虫の特徴について書かれた説明文の空欄に適切な語句や数字を入れて、説明文を完成させる問題(3問)
②こん虫の仲間をすべて選ぶ問題
(2)①実験の結果を使って、モンシロチョウのオスは、においではなく見え方の違いによってオスとメスを見分けていると
考えられる理由を説明する問題
②はねの形や大きさに関係なく、紫外線が反射するだけで、オスが近づくかを調べる実験方法の空欄にあてはまる内容
を答える問題
③実験2の結果より、モンシロチョウのオスがメスのはねに近づかないようにする方法とその理由を説明する問題
[5]6(1)遊園地などで売っている風船は手をはなすと浮くが、自分の息でふくらませた風船は手をはなすと落ちてしまう理由
を説明した文の空欄にあてはまる語句を入れ、説明文を完成させる問題(2問)
(2)寒い日に暖房の効いた部屋にあった半分水の入ったペットボトルを外に持っていくとどのように変化するかを
説明する問題
(3)①実験結果をグラフにまとめる問題
②図と実験結果より、手作り温度計が何度以上になると水があふれるかを求める問題
③暑い日でも手作り温度計が使えるように工夫する方法を説明した文の空欄をうめ、文章を完成させる問題(2問)
(4)ゴミ袋を使って気球を作るとき、白いゴミ袋と黒いゴミ袋のどちらが浮かびやすいかを考え、理由を説明する問題

適性検査1:社会

知識問題に加え、資料を読み取り分析する力が求められる問題が出されました。

問題文で問われている内容をしっかり読み取る力が求められます。

(4)は各時代の文化の特徴についての知識も問われました。

このため知識の暗記だけではなく総合的な理解力が必要となります。

 社会領域の問題は大問1
(適性検査1 100点満点(40分) / 国語領域50点・社会領域50点)

大問番号小問数出題内容
[1]6(1)資料(地図と表)を見て、水戸市の観測点の位置と2023年の梅の開花日を答える問題
(2)三権分立の内、法律や予算に基づいて政治を行う仕事は何権に当たるかを答える問題
(3)東大寺大仏づくりの事業を行った天皇の名前を答え、大仏づくりに協力した人物を選択する問題
(4)江戸時代の文化の説明として適切なものを選択する問題
(5)資料(グラフ)を見て、れんこんの収穫量について読み取れるものとして適切なものを選択する問題
(6)同じ場所を表した3つの年代を表した地図を見て、そこから読み取れる変化として適切なものをすべて選択する問題

適性検査3

1グループ6~7名(男女混合)での実施(30点満点・30分間程度)
SDGsについて述べた文章の朗読が1回放送されるので、音声を聞きながらメモする。

内容
問題①地球を守るためにどうすればよいかという問いに対する答えを、配付された解答用紙の解答欄に書く。
問題②自分が学校や家庭で取り組んできたSDGsの番号を解答用紙の裏面に大きく書き、具体的に何をしたか発表する。
問題③他の人の意見を聞いて印象に残った発表とその理由を発表する。

過去の出題形式


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