奈良学園中学校
令和7年度(2025年度) 出題傾向/出題形式

国語

(150点満点・60分)

1.「空所補充」が頻出

「本文」「本文内容を説明した文」の「空所補充」の問題が多いです。

特に「本文内容を説明した文」の空所補充は、①空所を設けた文の文脈の理解、②「解答の材料となる本文中の部分」を的確につかむ、という二つの力がためされます。

単純な「○○字以内で説明しなさい」という設問に比べると、「解答に入れるべき内容・表現(キーワード)」が限定されるため、受験においては、得点差を決定づける設問となります。

2.物語は「やや難」

「課題を乗り越えてのハッピーエンド」というような単純なストーリーではなく、なんらかの葛藤を抱えた主人公の細かな心の動き(および、それを表現する作者の表現意図)を読み取る必要のある作品が本文であることが多いです。

その点で、物語の難易度は高いといえます。

3.知識問題は「定型」となっている

大問3の出題内容(設問数・構成)は、直近三か年でまったく同じです。

よって、「四字熟語」「慣用句」「語彙」「漢字」は、奈良学園受験においては必須の学習です。

(下記の表は、A日程の出題内容)

大問1本文内容物語(高山環『夏のピルグリム』より)
少女がひと夏の一人旅を通して自己を再生する物語の一場面
問1指示語の指示内容(記述問題)
問2心情説明(発言の理由・選択肢問題)
問3本文中の空所補充(選択肢問題)
問4心情の根拠の説明(記述問題)
問5心情説明(発言の理由・選択肢問題)
問6心情説明(傍線部の心情の説明として適切な二字熟語・選択肢問題)
問7心情説明(発言の理由・選択肢問題)
大問2本文内容論説文(戸谷洋志『悪いことはなぜ楽しいのか』より)
「悪意」の本質について述べる内容
問1本文中の空所補充(2問・「〇〇的」という言葉を選ぶ選択肢問題)
問2傍線部の言い換え(選択肢問題)
問3指示語が指す内容(記述問題)
問4本文中の空所補充(選択肢問題)
問5傍線部の具体的説明(記述問題・25字以内)
問6修飾・被修飾の関係(「いつしか」がかかる部分を選ぶ選択肢問題)
問7会話文の中から本文内容に合致する発言者を選ぶ問題(選択肢問題)
問8傍線部の理由を説明した文の空所を補充する問題(記述問題・10字程度+25字程度)
大問3(A)問1四字熟語(選択肢問題)
(A)問2慣用的表現(「□に鶯」の空所に漢字一字を入れる)
(A)問3語句の意味(選択肢問題)
(A)問4語句の意味(選択肢問題2問)
(B)漢字の書き(8問)読み(2問)

算数

(150点満点・60分)

例年、大問1は計算問題、大問2は小問集合、大問6は規則性や数の性質の問題が出されていますが、2025年度から大問6は大問3から大問5と同様に、文章題や図形の問題が出ると事前に学校から発表がありました。

A日程とB日程については、出題形式は変わったものの2024年度までと同様に規則性の問題が出されましたが、C日程では点の移動とグラフの問題が出されました。

今後も規則性以外の単元が出題される可能性が高いので、様々な単元を勉強しておく必要があります。

問題の難易度は、年度・日程によってかなりばらつきがあります。

大問2の小問集合においても、難しい問題が例年出されていますが、最近の傾向として、大問1の計算問題でも難しい問題が出されています。

2025年度の入試においても各日程で大問1の計算問題のレベルにばらつきがありました。

2025年度は単純な計算問題だけでなく、文章を読んで自分で式を考えて計算する問題も出されました。

A日程B日程C日程
大問番号小問数内容小問数内容小問数内容
[1]4計算問題4計算問題4計算問題
[2]4小問集合4小問集合4小問集合
[3]3流水算3割合とつるかめ算3場合の数
(3桁の整数)
[4]3食塩水3旅人算3食塩水
[5]3立体の切断3平面図形の面積3回転体
[6]4規則性
(面積と辺の比)
3規則性
(図形の個数)
3点の移動とグラフ

理科

(100点満点〈医進は150点満点に換算〉・40分)

A日程、B日程とも大問7問、小問は35問前後。(C日程は国語・算数のみ)

物理:化学:生物:地学=2:2:2:1の割合で出題されています。

小問数は35問前後(A日程38問、B日程32問)を40分で解くため、時間管理が重要です。

2025年度は、B日程の問題数が例年と比べて減りましたが、計算問題の難易度や思考力を試す問題が出されたためであると考えられます。

比較的基本的な問題も出される一方、A日程の発光ダイオードを含む回路やB日程の「音が聞こえる」現象に関する問題などの現場対応能力を試す問題や、A日程・B日程ともに出題された、てこのつり合いやもののとけ方などの難問が出題されており、問題の取捨選択も重要なポイントです。

合格点を取るためには、標準的な問題をよりしっかりと取り切る力が重要です。

A日程

大問番号小問数内容
[1]5流れる水のはたらき・地層
[2]7電池と豆電球・発光ダイオードについて
[3]4クマの生活について
[4]6植物について
[5]6気体の性質について
[6]5てこのつり合い
[7]5もののとけ方・水溶液の性質

B日程

大問番号小問数内容
[1]4方位・方角と時間について
[2]5てこのつり合い
[3]4こん虫やクモについて
[4]4もののとけ方
[5]7電池と豆電球・モーターについて
[6]4「音が聞こえる」という現象について
[7]4水溶液の混ぜ合わせについて

社会 

(100点満点・40分)

A・B日程ともに大問3問、小問は50問前後。(C日程は国語・算数のみ)

地理分野は日本の国土、気候、産業、貿易、地域の特徴など幅広い単元が出題されました。

統計を示した表や地図の読み取りが多く、学校の教科書や地図帳の確認も必要です。

歴史分野はA日程、B日程ともに幅広い時代の知識が必要となります。

例年通り、人物名などの語句の漢字指定が多数出題されました。

公民分野はA日程、B日程ともに基本的人権や現代社会、国際情勢に関する問題が出されました。

A日程

大問番号小問数内容
[1]22「地方の歴史上のできごと」をテーマとした歴史総合
[2]14日本の地域の特徴, 気候, 産業など地理総合
[3]12「富山市」をテーマとした公民総合問題

B日程

大問番号小問数内容
[1]24弥生時代から昭和時代の歴史総合
[2]18「新幹線」をテーマとした地理総合
[3]15「戦後の日本」をテーマとした歴史・公民総合

過去の出題形式


ページトップへ戻る