京都教育大学附属桃山中学校 令和8年度(2026年度)の出題傾向/出題形式について
京都教育大学附属桃山中学校
出題傾向/出題形式
適性をみる検査Ⅰ:国語
(40点満点・40分)
1.例年通り「物語文」「論説文」「作文」の3本柱
2026年度は、名称が「国語」から「適性をみる検査Ⅰ」に変わりましたが、問題構成・ボリュームともに変化はありませんでした。
構成については2021年度~2026年度の6年で変更なく「物語文+論説文+作文」です。
「詩」「短歌・俳句」の出題例はありません。
2.設問数が多く、「時間配分」が大きな鍵となる
試験時間40分に対し、23問の小問(そのうち4問が記述問題)と1問の作文問題であるため、「時間配分」のハードルがかなり高くなっています。
時間内に全問を解き切る対策が必須です。
3.1問あたりの配点が小さい
小問23題・作文1題で40点満点であることから、「1問あたりの配点は小さい」と考えられます。
ただし、作文については指定される字数の多さから考えて、「ある程度高い配点」であると考えられます。
よって、作文以外の設問を「ポイントを押さえてスピーディーに」解き、作文問題を書く時間を確保することが重要です。
「試験時間内に作文まで書き切れるかどうかが合否を左右する」と言っても過言ではありません。
4.作文は「自己語り」を軸として、毎年変化している
2023・2024年度…「あなたはどうしたいか?」「あなたはどうするか?」
2025年度…「あなたはどのように行動したか?」
2026年度…「あなたはどのようにするか?(ただし、経験を含めて書く)」
上記のように、「あなたは?」という軸は不変で、「未来を書く」「過去(経験)を書く」というバリエーションがある傾向です。
(2026年度については、「未来」「過去」の両方を書く設問)。
| 大問1 | 本文内容 | 論説文(遊磨正秀『実は身近なホタルのはなし』より) ホタルを話題としつつ、子どもと自然との触れ合いについて論じる内容 |
| 問1 | 漢字の読み書き(書き1問・読み1問) | |
| 問2 | 傍線部の内容説明(記述問題・18字以内) | |
| 問3 | 本文内容を説明した文の空所補充(書きぬき問題2題) | |
| 問4 | 筆者の主張の根拠の説明(記述問題・40字以内) | |
| 問5 | 指示語の指示内容説明(選択肢問題) | |
| 問6 | 本文の空所補充(前後の文脈から空所の内容を考える・選択肢問題) | |
| 問7 | 本文の空所補充(接続語) | |
| 問8 | 傍線部の理由説明(記述問題・40字以内) | |
| 問9 | 本文内容を説明した文の空所補充(書きぬき問題) | |
| 問10 | 指定された段落についての「段落の働き」の説明(選択肢問題) | |
| 問11 | 文章の構成の説明(選択肢問題・当てはまらないものを選ぶ) | |
| 問12 | 脱文補充(提示された文が入る場所をⅠ~Ⅳの四か所から選ぶ) | |
| 問13 | 本文内容の読み取り(ア~オから本文内容にあてはまるものをすべて選ぶ) | |
| 大問2 | 本文内容 | 物語(加納朋子『空をこえて七星のかなた』より) 主人公が自分の弱さと向きあい、他者を受け入れる心を持ち始める成長物語 |
| 問1 | 漢字の読み書き(書き1問・読み1問) | |
| 問2 | 主人公の心情に基づく「行動」の説明(書きぬき問題) | |
| 問3 | 傍線部(「深刻な事態」)の具体的説明(選択肢問題) | |
| 問4 | 係り受けの問題(「いくら」が係る部分を選ぶ) | |
| 問5 | 心情説明(記述問題・40字以内) | |
| 問6 | 主人公の行動の理由となる心情説明(選択肢問題) | |
| 問7 | 本文の空欄補充(前後の文脈から考えて空欄に当てはまる二字を本文中から書きぬく) | |
| 問8 | 比喩に関する問題(主人公がどのような存在であるかをたとえている表現を書きぬく) | |
| 問9 | 場面分け(本文を二つに分ける) | |
| 問10 | 本文の構成と表現の説明(選択肢問題) | |
| 問11 | 【作文】「『隠していたことを、正直に伝える』ために、相手に対してどのように話すか」について、 経験とあわせて考え・意見を書く(200字以上250字以内) |
適性をみる検査Ⅱ:算数
(40点満点・40分)
1.「算数」から「適性をみる検査Ⅱ」へ。求められる思考力の変化
2026年度より、試験科目の名称が「算数」から「適性をみる検査Ⅱ」に変更されました。
これに伴い、単なる計算力や解法パターンの暗記だけでなく、「なぜそうなるのか」を論理的に説明する力や、理科的な知識と算数を結びつける総合的な力が問われるようになりました。
特に2026年度の大問8(細胞の分裂)では、「理由を簡単に説明しなさい」という記述問題が出題されており、答えに至るプロセスを言語化する適性検査型の能力が重視され始めています。
2.重要単元は4つの単元。理科との融合問題にも注意
①規則性に関する問題 ②速さに関する問題
③平面図形に関する問題 ④場合の数・論理
この4つの単元は依然として最重要であると考えられます。
ただし、「適性をみる検査」への移行により、素材の扱い方が変化しています。
例えば、大問3(光と音の速さ)や大問5(食塩水)、大問8(細胞)のように、理科の実験や現象を算数の「速さ」や「割合」、「規則性」を使って解く問題が目立ちました。
教科横断的な視点が必要です。
3.大問2の小問集合は小4内容や単位換算の徹底がカギ
大問2は小問数が10問前後と多く、ここでの失点は許されません。
小4で学習する大きな数・概数・面積はもちろん、特に「単位換算」と「割合」が頻出です。
2025年度・2026年度ともに、「人口密度(人/km²)」、「速さの変換(時速⇔秒速)」、「縮尺」など、単位の意味を理解していないと解けない問題が出されています。
また、「1ドル=160円」といった為替や「消費税・売上の増減」など、社会と関連した数値を扱う問題も特徴的です。
4.「長い条件設定」を読み解く読解力重視
以前のように単純なグラフの読み取りだけでなく、長い文章で与えられたルールをその場で理解し、整理する力が求められます。
2026年度の大問4(選挙の当選確実数)や大問7(リサイクルの循環)は、初見の条件を正確に読み取り、「もし〇〇ならどうなるか」をシミュレーションする思考力が試されました。
グラフが出ない年であっても、この「情報の読解と整理」という本質は変わりません。
5.計算問題は「数の性質」を利用した工夫が必須
大問1の計算問題は、単に筆算をするだけでは時間がかかるよう作られています。
2026年度の「2026×5-2026×4…」のような分配法則の逆や、分数の積の形を約分する問題など、「計算の工夫」が見抜けるかが問われています。
2025年度の部分分数分解のように、中学受験特有の計算テクニックは必須レベルとなっています。
| 大問番号 | 小問数 | 内容 |
|---|---|---|
| [1] | 4 | 計算問題 |
| [2] | 10 | 小問集合 |
| [3] | 3 | 光と音の速さ |
| [4] | 2 | 得票数 |
| [5] | 3 | 食塩水 |
| [6] | 1 | 平均の速さ |
| [7] | 1 | リサイクルと規則性(ペットボトル再生の循環計算) |
| [8] | 4 | 細胞の分裂と質量(指数関数的な増加の規則性、理由の記述問題あり) |
適性をみる検査Ⅲ:理科
適性をみる検査Ⅲ《理科・社会的問題》(40点満点、40分)
大問9問、小問40問(理科20問、社会20問)
1.「理科」から「適性をみる検査Ⅲ」に変わったことへの変化
記述問題がまったく出題されていませんでしたが、2026年度は1問出題されていました。
それ以外の出題内容、出題傾向、問題数とも変更点は見られませんでした。
2.2026年度の問題分析
小問数は計20問となっており、処理速度と正確性が求められる構成です。
特筆すべきは[5]の解答形式であり、「3つの文すべての正誤を判定し、その組み合わせによって解答記号が変化する」という複雑なルールが課されているため、単なる知識の有無だけでなく、処理能力や注意力が強く試されています。
また、[9]のてこの問題においても「すべて選ぶ」形式が採用されており、完答へのハードルが高いです。
記述問題は[6]の粒の観察や[7]の結晶の取り出し方など、基本的な実験観察知識を問う短文記述にとどまっていますが、計算問題、対照実験の条件整理、論理パズル(おもりの重さ比較)など、思考の種類が多岐にわたります。
分野のバランスについては、物理・化学・生物・地学の4分野が均等に配置されており、苦手分野を作らない学習姿勢が求められる出題となっています。
| 大問番号 | 小問数 | 内容 |
|---|---|---|
| [5] | 6 | 小問集合(正誤問題) |
| [6] | 4 | 地層について |
| [7] | 4 | もののとけ方について(記述問題1問をふくむ) |
| [8] | 3 | 種子の発芽について |
| [9] | 3 | てこのつり合いについて |
適性をみる検査Ⅲ:社会
適性をみる検査Ⅲ《理科・社会的問題》(40点満点、40分)
大問9問、小問40問(理科20問、社会20問)
2026年度より、試験科目の名称が「社会」から「適性をみる検査Ⅲ」に変更されました。
地理分野7問、歴史分野9問、公民分野4問の合計20問で、うち2問が短文形式の記述問題(地理2問)で出題されました。
2025年度より大問が1つ追加されましたが、小問数の総計はほぼ同じであるなど、出題内容や問題数、傾向などは大きな変更点は見られませんでした。
地理分野は日本の国土や産業など、テーマをしぼって出題される傾向です。
歴史分野は幅広い時代の人物や出来事についての正誤問題などが出されやすいです。
公民分野は日本国憲法や基本的人権などについて出題されやすいです。
地理・歴史・公民分野ともにグラフや図、写真などの資料が多用されるので、その読解力も求められます。
| 大問番号 | 小問数 | 内容 |
|---|---|---|
| [1] | 8 | 室町時代、昭和時代の歴史や日本国憲法、防災に関する問題 |
| [2] | 3 | 都道府県に関する問題 |
| [3] | 6 | 日本の農業、国会に関する問題 |
| [4] | 3 | 江戸時代に関する問題 |
