奈良女子大学附属中等教育学校
出題傾向/出題形式

令和8年度(2026年度)一般適性検査

表現Ⅰ(国語)

国語領域の問題は大問2・3
(表現Ⅰ 100点満点(60分) / 国語領域70点・社会領域30点)

1.大問2:「文章の全体像」をつかむ力が求められる

「科学といわれる態度」「人間が打ち立てた科学的説明」「科学的な手法」というように、話題が展開していく文章内容であり、その「展開」をつかむ力が求められました。問3・4・5は、話題の展開を踏まえて「記述問題の解答材料の範囲」をつかむことが求められる問題でした。

2.大問3:複数の資料を分析して「自分の考えを述べる」力が求められる

2025年度は「共通点・ちがい」の説明問題が出題されましたが、2026年度は近年続いていた「自分の考えを述べる問題」が出題されました。二つの資料から分かることを関連づけて読み取ることができるかがポイントとなります。話題は「科学者や技術者の話への信頼」「科学技術に関する情報の入手経路」で、読解に出題されていた本文内容と通ずるものがあります。

大問2
(文章読解)
本文内容論説文(日高敏隆「世界を、こんなふうに見てごらん」より)
内容:科学的にものを見ると正しく理解できるといわれているが、
科学的説明と言われているものは理くつが通っているものであり、
あるパターンのものの見方でしかない。
たとえ実在しないものだとしても、人は「論理が通れば正しい」と考えてしまうものだ。
そのことを知ったうえで複数の視点を持ち、物事を相対化して見るべきだと主張する内容。
問1漢字書き取り5問(小2~4配当漢字)
問2指示語の内容を答える問題
問3傍線部の内容を具体例を用いて説明する問題(50字程度)
問4(1)傍線部の内容問題(15字程度)
問4(2)傍線部の理由説明
問5筆者の主張について説明する問題(「理くつにだまされないためにはどうすべきか」の説明)
大問3
(資料問題)
「科学者や技術者の話は信じることができると思うか」と「ふだん科学技術に関する情報をどこから得ているか」という資料を示し、
両者から読み取れることと、考えたことについてまとめる問題。

表現Ⅱ(算数)

算数領域の問題は大問3~大問6
(表現Ⅱ 100点満点(60分) / 算数領域70点・理科領域30点)

例年、グラフの読み取りまたは作図の問題、平面図形、規則性の問題がよく出されており、2026年度もその傾向は大きくは変わりませんでした。

特筆すべきは、2026年度の大問3で出題された「直角三角形の回転移動と辺が通過する範囲」の作図問題です。2025年度にはコンパスを用いた作図は出題されませんでしたが、2026年度は正確なコンパスの技能と、図形が動くイメージを紙面に落とし込む力が問われました。この「図形の回転移動」に関しては、KECの夏期講習や冬期講習のテキストで扱った問題とほぼ同じ内容が出題されており、講習で対策を行っていた塾生にとっては非常に有利に働く「取れる問題」であったと言えます。

また、論理的な説明を求める傾向も定着しています。2025年度の「答えがない(作れない)」ことを説明する問題に続き、2026年度でも大問4で「並べることができるか」という可否を検証し説明する問題が出されました。

問題構成としては、2025年度は算数が先でしたが、2026年度は理科が先、算数が後という順序に戻りました。算数の大問はいずれも条件整理や処理に手間がかかる重量級の問題であり、全体的に難易度は高いです。そのため、解答用紙にわかるところまできちんと書き、部分点を取りにいく姿勢が合否を分けたといえるでしょう。

大問番号小問数内容
[3]2容積
[4]4正六角形の面積の比(答えが「ない」ことを説明する問題あり)
[5]3消去算
[6]2速さとグラフ(グラフの作図問題あり)

表現Ⅱ(理科)

理科領域の問題は大問1〜大問2
(表現Ⅱ 100点満点(60分) / 算数領域70点・理科領域30点)
大問2問、小問6問。

算数と合わせて60分のため、理科にかけることができる時間は15分〜17分程度と想定されます。

2026年度の傾向として、「実験方法を説明する問題」「実験結果を考え、その理由を説明する問題」「実験結果や現象に関する理由を説明する問題」「実験結果をもとに、その現象が起こることによる利点を考える問題」など、「実験方法や結果、現象が起こる理由や利点を考えて説明する問題」が多数出題されました。

これらの問題は、奈良女子大学附属中等教育学校の代表的な出題傾向であるとともに、得点差が大きくついた問題になったと考えられます。

また、メダカの飼い方や、2つのトレーのうちすべりにくい方を選ぶなど、基本的な知識問題も出されるので、しっかり得点できるようにしておきましょう。

大問番号小問数内容
[1]3(1)メダカの飼い方として正しくないものをすべて選び、記号で答える問題
(2)実験結果から、メダカの体色の変化と周囲の色や光の量との関係を説明する問題
(3)体色を変化させることは、野生のメダカにとってどのような利点があるかを、具体的な場面を想像して説明する問題
[2]3(1)実験結果から、つみ木がすべりにくいトレイを選ぶ問題
(2)実験結果から、つみ木4個をトレーAにのせかたむけたとき、
つみ木がすべり出したときの角度を求め、理由を説明する問題
(3)トレーをかたむける方法とは別の方法でつみ木のすべりにくさを調べる実験方法と予想される結果について、
図や文章を用いて説明する問題

表現Ⅰ(社会)

社会領域の問題は大問1
(表現Ⅰ 100点満点(60分) / 国語領域70点・社会領域30点)
大問1問、小問が5問。

国語と合わせて60分のため、社会にかけることができる時間は20分程度と想定されます。

地理分野が2問、歴史分野が3問出題され、それぞれの分野の知識を活用して説明する形式で出題されました。

そのうち資料の読み取り問題が地理分野で1問、歴史分野で2問出題されました。

資料のデータや事実を適切に読み取る力、さらにそのデータや事実の背景について、知識と結び付け、適切な言葉を使い表現する力、抽象化されている問いに対して具体的な例を挙げて説明する力が求められました。

問題の難易度は標準的です。
地理分野(農業、貿易)、歴史分野(弥生時代の社会、太閤検地)に関する知識を活用して、適切に説明できるかがポイントとなります。

小問番号出題内容
問12つの資料(環濠集落とガラス製のくだ玉)から1つを選び、米の栽培が世の中のあり方を変えた内容を説明する。
問2太閤検地の内容と、その狙いを説明する。
問3高い関税をかける政策の長所と短所を説明する。
問4大正時代にさかんになった、権利を求める運動を例示する。
問5資料(耕地整理が行われた前と後の土地)を見て耕地整理による改善点と改善された理由を説明する。

表現Ⅲ

表現Ⅲ:調査書10点満点+対話的表現10点満点(合計20点満点)

2026年度入試の「対話的表現」は、「グループ活動(25分程度)」で実施。

時間内容
10分間奈良女子大学附属中学校の教室1つを使ってみんなが利用できる部屋を作ろうと思います。
そのために何を置けばよいでしょうか。
その理由も合わせて考えなさい。
(封筒に問題用紙とA4の紙が1枚ずつ入っている。)
(2分間)自分で考える時間→(8分間)グループで話し合う
15分間配られた紙にものの配置、部屋の名前、使用上のルールを3つ書きなさい。
イラストは参考にして構いません。
完成しなくても構いません。
(部屋の間取りが書かれたA3用紙を配付される。)

令和8年度(2026年度)連絡進学適性検査

表現Ⅰ(国語)

表現Ⅰは国語領域の問題。100点満点(50分)

1.2026年度の読解は「文中のことばを利用して書く」形式のみに変化!

記述問題に関しては、例年「自分で(もしくは本文内容から)考えて書く」問題と、「文中のことばを利用して書く」問題の大きく分けて2つの形式で構成されていましたが、2026年度は「文中のことばを利用して書く」問題のみになっています。2025年度はすべて記述問題でしたが、2026年度は例年通り抜き出し問題が2問出題されています。最後の設問(今回は大問2)は毎年、「自分の意見文を書く問題」です。2024年度の「自分の意見+その意見に対する反論+反論者を説得する意見」を求める問題にくらべると、「単純化」したと言えます。

2.具体と抽象を区別した読みを求められる

20字前後の字数制限がある問題は、本文から要点を見つけ出してまとめなければなりません。一方、問4・8のように字数制限がない問題に関しては要点を書くだけではなく、他の物事と比較することや具体的な要素を入れることが重要です。そのため、抽象的な中心要素をしっかりとおさえたうえで設問に合わせた解答を作成する力が求められます。

本文内容説明文(稲垣栄洋「はずれ者が進化をつくる 生き物をめぐる個性の秘密」より)
「雑草」や「人間」を例に挙げて、自然界の競争について述べられている。
大問1
(文章読解)
問1漢字の書き取り(5問)
問2傍線部の理由説明(20字程度)
問3傍線部の内容説明(10字以内)
問4傍線部の理由説明
問5傍線部の内容と同じ表現をぬき出す問題(10字程度)
問6傍線部の内容を解答らんに合うように説明する問題(15字程度)
問7傍線部の理由を具体的に書く問題
問8傍線部のキーワードをもとに聞かれている内容をまとめる問題
問9傍線部内容と同じ表現をぬき出す問題(10字程度)
大問2
(資料問題)
資料(共通語と方言について)を踏まえて自分の考えを書く
①共通語を使った方が良い相手や場面、または、方言を使った方が良い相手や場面とはどのような相手や場面か、
どちらかを選んで自分の意見を書く。
②設問に書かれているグラフから分かることを参考にして、理由を説明する。

表現Ⅱ(算数)

表現Ⅱは算数領域の問題。100点満点(50分)

2025年度と比べ、2026年度の大問数は7問から6問、小問数は15問から13問と少なくなりました。記述や作図の手間は増えたものの、全体の問題量は落ち着いたため、時間が足りなかったという生徒はほとんどいなかったと考えられます。
(2023年度:大問7・小問13/2024年度:大問6・小問13/2025年度:大問7・小問15/2026年度:大問6・小問13)

一般入試と違い、大問1で必ず計算問題が出されます。2026年度は2025年度同様4問で、難易度もほとんど変わりませんでした。また、一般入試と比べて大問数が多いため、さまざまな単元から出題されます。ただし、グラフをかいたり、途中式を書く問題が出題されたりする点は、一般入試と同様です。最近の傾向として、一般入試と同じように「理由を説明する問題」がよく出されるようになり、問題の難易度も一般入試とほぼ差がない状態です。

2022年度 3問(円周率の説明・円周率が3より大きいことの説明・概算を使った説明)
2023年度 出題なし
2024年度 2問(台形の面積の公式の説明・計算方法の考え方の説明)
2025年度 出題なし
2026年度 2問(正五角形が敷き詰められない理由の説明)

2026年度については、2025年度出題されなかった「理由を説明する問題」や「グラフの作図」が復活しました。大問5では正五角形の敷き詰めに関する説明、大問6ではグラフの作図が求められ、思考力・表現力を問う傾向が強まりました。2025年度は大問数が7問と多く、答えのみを書く問題が2問ありましたが、2026年度は大問数が6問に戻り、答えのみの問題は1問にとどまりました。その分、途中式や考え方を記述させる問題の比重が高まっており、2024年度以前の傾向に戻ったと言えます。これは、一般入試でも重視されている「記述力」を確認する意図が明確に表れています。

大問番号小問数内容
[1]4計算問題(整数、小数、分数の混合計算)
[2]1数の性質(分数の大きさ比べ・1との差)
[3]1相当算
[4]2規則性(三角数)
[5]2平面図形(正多角形の角度、平面の敷き詰めに関する記述問題)
[6]3点の移動とグラフ(面積変化のグラフ作図、条件を満たす時間の算出)

表現Ⅲ

表現Ⅲ:調査書200点満点+対話的表現30点満点(合計230点満点)

2026年度入試の「対話的表現」は、「グループ活動(25分程度)」で実施。

時間内容
10分間4人の留学生が1週間あなたのクラスに来ます。
あなたは日本の文化を留学生たちに紹介します。
どのような日本文化をどのように紹介するか考えなさい。
留学生は簡単な日常で使う日本語は話せます。
15分間(追加課題)※A3用紙が1枚配付される
留学生と交流会を60分間で行います。
最初に考えた内容と方法を使って留学生が楽しめるような交流会の内容を考えなさい。

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