大阪教育大学附属天王寺中学校(大教大天王寺)の入試情報
入試情報
大阪教育大学附属天王寺中学校(大教大天王寺)の入試対策の特徴
大阪教育大学附属天王寺中学校の入学適性検査は1次テスト・2次テストに分けて実施され、1次テストに合格した生徒のみが2次テストに臨むことができます。
2022年度入試より、2次テストの形態が変更されましたが、1次テストでは国算の学力が試されることには変わりありません。
※2022年度入試問題は、入試当日に回収され公開されていません。そのため、これまでの傾向と2022年度入試の出題内容について生徒への聞き取り調査を実施いたしました。
大阪教育大学附属天王寺中学校
令和6年度(2024年度)入試結果について
定員と倍率
募集人数は、大阪教育大学附属天王寺小学校からの進学者を含めて、144名でした。
以下、令和6年度(2024年度)一般入試の結果です。
男子 | 女子 | 合計 | |
---|---|---|---|
志願者数 | 174名 | 146名 | 322名 |
1次テスト受験者数 | 166名 | 141名 | 307名 |
1次テスト合格者数 | 126名 | 98名 | 224名 |
1次テスト実質倍率 | 1.32倍 | 1.44倍 | 1.37倍 |
2次テスト受験者数 | 126名 | 96名 | 222名 |
2次テスト合格者数 | 61名 | 51名 | 112名 |
2次テスト実質倍率 | 2.07倍 | 1.88倍 | 1.98倍 |
合格者平均点
入学者の選抜は、1次テストの「国語」「算数」、2次テストの「検査1~3」が行われました。
1次テスト合格者平均点 | 71点/120点 |
2次テスト合格者平均点 | 232点/330点 |
上記の通り、1次テストは120点満点のところ、合格者平均点が71点。
2次テストは330点満点のところ合格者平均点が232点となりました。
大阪教育大学附属天王寺中学校
入学者の選抜方法について
1次テストにて、「国語」「算数」を実施。
2次テストにて「検査Ⅰ」「検査Ⅱ」「検査Ⅲ」を実施。
大阪教育大学附属天王寺中学校の入学適性検査は1次テスト・2次テストに分けて実施されます。
1次テストに合格した生徒のみが2次テストに臨むことができます。
大阪教育大学附属天王寺中学校
令和6年度(2024年度)出題傾向/出題内容
国語について
出題傾向
試験時間:30分
点数:60点満点
出題傾向
1.「読解+知識+作文」の3軸構成であることについては「安定」傾向
① 読解問題は「論理的読解」中心
論説文・ 随筆の出題が続いています。随筆文の場合も「論理的な読解問題」が中心であり、「読解=本文の『論理』の読解」 という傾向があります。また、例年 「本文内容に合致するもの(合致しないもの)『すべて』選べ」という出題があり、選択肢の内容を正確に理解する力について、高いレベルが要求されています。
② 知識問題は「変化」「複雑」の傾向
「出題領域(形式)を意図的に変え続ける」傾向があります。また、漢字問題においても「単純な書き取りではなく、『三字熟語の知識』に基づくクイズ的な問題」を出題するなど、「問題の複雑化」を狙う傾向が見られます。
(例)2020年度「慣用的に用いられる『言葉の組み合わせ』」
2021年度「論理問題」
2022年度「会話文の文脈に合う『ことわざ』『慣用句』を選ぶ」
2023年度「多義語の出題」
2024年度「漢字パズルの要素を含む三字熟語の出題」
③ 作文問題は「出題の意図を汲み取ること」がポイント
具体的な指示はないですが、 「何を書くべきかについての『暗黙の指示』がある」出題が続いています。
(例)2024年度「未来の自分とのメッセージのやりとりの説明」→「やりとり」に整合性があるように「ストーリー」を構築し、かつ、的確に説明する。
2023年度「出版したいと思う本を企画し、提案文を書く」→企画した本の概要を説明した上で、その本の具体的な内容や、出版することで得られる「社会的意義」などの補足説明を加える。
2.限られた時間の有効活用
上記1のように、「決して易しくはない・単純ではない」という問題でありながら、試験時間は30分であり、 「短時間で的確な判断をする力」が求められます。
出題内容
【国語】 ※試験時間は「30分」 | ||
大問番号 【ジャンル】 | 設問 | 出題内容 |
大問1 【論説文】 (井上京子 | 問1 | 【記号】傍線部(比喩的表現)の意味として適切なものを選ぶ |
問2 | 【抜き出し】傍線部(修飾語)が修飾する言葉を抜き出す | |
問3 | 【記号】傍線部(外来語)の意味として適切なものを選ぶ | |
問4 | 本文内容について話し合っている三人の会話文についての出題(三問) ①【記号】会話文中の空欄に入る言葉として適切なものを選ぶ ②【記述】会話文中の空欄に入る言葉(三字程度)を考えて書く ③【記述】会話文中の空欄(相手との意見の相違について整理する言葉)を四十字程度で書く | |
大問2 【知識領域】 | 5問 | 三つの三字熟語の空欄(一字)に入る漢字(合計三字)を考え、さらにその三字を組み合わせて三字熟語を作る(六問) |
大問3 【作文】 | 「未来の自分からのメッセージ(「?」という一字のみ)に対して、「!」「¥」「&」「%」「♪」のうちのどれで返信するかを決め、そのやりとりの内容について説明する(160~200字) |
算数について
試験時間:40分
点数:60点満点
出題傾向
① 数の性質を利用した問題
② 速さに関する問題
③ 平面図形に関する問題
④ 空間図形に関する問題
この4つの単元については、 近年よく出題されている問題です。どれも、 他の学校では出題されていない「大阪教育大学附属天王寺中」を象徴する問題となっています。特に図形の問題については、作図の問題がよく出されていて、対称図形や拡大図・縮図の作図を出題するのも大阪教育大学附属天王寺中の特徴の1つです。
速さの問題については非常に難易度の高い問題が出されることも多く、正答率は低くなっていると思われます。また毎年、現場対応力・情報処理能力が問われる問題が出されます。
2020年度 ドイツ式筆算・あみだくじ・修正テープ
2021年度 インド式かけ算・小町算・三角数
2022年度 イギリスの通貨(ポンド・ペンス・シリング)の計算問題
2023年度 面積と辺の比(階差数列の考え方)
2024年度 資料の調べ方(条件の整理)
これまでの受験勉強でほとんど見たことがない問題にどのように対応するのかがポイントになります。
出題内容
【算数】 ※試験時間は「40分」 | ||
大問 | 小問数 | 内容 |
[1] | 2 | 規則性 |
[2] | 1 | つるかめ算 |
[3] | 1 | 倍数算 |
[4] | 2 | 平面図形の角度と面積 |
[5] | 2 | 水量変化 |
[6] | 2 | 資料の調べ方 |
検査Ⅰについて
出題傾向
理科がメインで算数の計算や図工などの要素が含まれる問題構成になっていました。重要視される点として以下があげられます。
①基本的知識の定着
②実験結果や資料から結論を導き出す力
③現象が起こる理由を考え、説明する力
④問題文を読み解く力
(理科の知識で解く問題なのか、算数の考え方が必要なのかを読み解く力)
⑤実技教科の基本的な知識とその知識を使って説明する力
特に、万能試験紙のような知らないものを使った実験で、表にある実験結果からどんなものかを推測したり、ししおどしの改良のように、どのような原理で起こっている出来事かを考え、改良点を考え説明する問題で差がついたと考えられます。
また、図工の問題も出されており、2024年度はプログラミングの問題が大きく差のつく問題になったと考えられます。
出題内容
【検査Ⅰ】 ※試験時間は「40分」 | ||
大問 | 小問番号 | 内容 |
1 | (1) | ①【図工】プログラムからかかれる図形を図示する問題 ②【図工】ひし形をかくプログラムを完成させる問題 ③【図工】プログラムⅢによってかかれる設計図を解答らんに示す問題 |
(2) | 【算数】砂利をしきつめる部分の面積を求め、砂利の購入に必要な金額を計算する問題 | |
(3) | 【理科】透水性が高い防草シートと、透水性が低い防草シートのどちらが適切かを選び、その理由を説明する問題 | |
(4) | ①【図工】のこぎりの刃の形状を図示する問題 ②【理科】ししおどしをどのように改良すればうまく動くかを説明する問題 | |
(5) | 【理科】気温をはかるときの条件を3つ書く問題 | |
(6) | 【理科】実験結果から、水溶液の性質と万能試験紙の色の関係を考え、庭にアジサイを植えたときの花の色を予想する問題 | |
(7) | 【理科】庭の中にできる石灯ろうのかげの面積が最も小さくなるものを選ぶ問題 |
検査Ⅱについて
出題傾向
【社会】 検査Ⅱは「情報活用」が中心で、グラフや表の読み取りが多数出題されました。基本的な地理・歴史分野の知識を活用する選択問題や記述問題のほか、グラフを作成する問題が出されました。
【理科】 社会との融合問題のため、基本的な知識はもちろん、地図と写真から写っている太陽が朝日か夕日かを考え、その理由を説明する問題や、津波が発生するしくみなど、なぜ起こるかを説明する問題や、計算を使って説明する問題などが出題されました。
【検査Ⅱ】 ※試験時間は「40分」 | ||
大問 | 小問番号 | 出題内容 |
[1] | (1) | 【社会】滋賀県に接する都道府県を、京都府から時計回りに答える問題 |
(2) | 【家庭科】地域独自の食材を用いてつくられる料理の名前を答える問題 | |
(3) | ①【理科】有害外来魚の説明として正しいものを選択する問題 ②【理科】資料の内容を読み取り、ブルーギル、コクチバス、チャネルキャットフィッシュと考えられる写真を選択する問題 | |
(4) | 【理科】写真の太陽が朝日と夕日のどちらかを選択し、その理由を説明する問題 | |
(5) | 【家庭科】池でコイを飼う目的として正しいものを選択する問題 | |
(6) | ①【社会】表を見て 、 雨温図のグラフを作成する問題 ②【家庭科】暖かく服を着る工夫について、適切な語句を書く問題 | |
(7) | ①【社会】米とキャベツの収穫量と、肉用牛の飼養頭数を示した表を見て、あてはまる県を選択する問題 ②【社会】明治時代の富国強兵の政策でつくられ、世界遺産に登録された施設を答える問題 ③【家庭科】ミシンで布を縫うとき、縫い始めと縫い終わりに行うことを答える問題 | |
(8) | 【社会】観光客数に関する表を読み取った内容として正しいものを選択する問題 | |
(9) | 【社会】データの収集方法として正しいものを選択する問題 | |
[2] | (1) | 【社会】地図に描かれた記号の意味を答える問題 |
(2) | 【理科】津波から避難する方法を、計算を用いて説明する問題 | |
(3) | 【理科】津波が発生するしくみについて説明する問題 |
検査Ⅲについて
出題傾向
健康・安全、社会生活、文化・芸術の分野を主に社会科や家庭科、体育及び、図工、音楽などに基づいた知識や技能、見方・考え方をはたらかせることで解決される問題が出されます。社会は歴史分野の知識を確認する問題が中心です。
家庭科、体育、図工、音楽の知識問題の他に普段の生活に関わる内容が問われます。
【検査Ⅲ】 ※試験時間は「40分」 | ||
大問番号 | 小問番号 | 出題内容 |
[1] | (1) | 【社会】1970年大阪万博以降の出来事を選択する問題 |
(2) | ①【音楽】2分休符と4分休符の違いを説明する問題 ②【音楽】楽譜で指定された小節の演奏順序を答える問題 ③【音楽】指定された音符のソプラノリコーダーの運指を図で示す問題 | |
(3) | ①【社会】1925年に制定された普通選挙法で、選挙権が与えられた人の条件を説明する問題 ②【社会】1925年に制定された治安維持法の内容を説明する問題 | |
(4) | 【社会】持続可能な開発目標の略称をアルファベット4字で答える問題 | |
[2] | (1) | ①【社会】都道府県章が示す都道府県名を答える問題 ②【社会】埼玉県の位置を地図から選択する問題 ③【社会】古代の人の装飾品の名前を答える問題 |
(2) | 【保健】AEDについて説明する問題 | |
(3) | ①【図工】木版画で作成する下書きの絵を描く問題 ②【図工】刷り紙をのせ、中心から空気を抜くように刷り写し取るための道具を答える問題 | |
[3] | (1) | ①【社会】「東海道五十三次」の作者を選択する問題 ②【社会】東海道のルートを地図から選択する問題 |
(2) | ①【社会】絵が示す歴史的な出来事を答える問題 ②【社会】歴史的な出来事に対する当時の日本国民の不満の内容と、政府に求めた内容を説明する問題 | |
[4] | (1) | 【社会】野口英世が研究した感染症の名前を答える問題 |
(2) | ①【社会】新千円札に描かれた人物に関する説明文の空欄にあてはまる語句を選択する問題 ②【保健】学校生活の中で感染を防ぐための方法として適切なものを選択する問題 ③【社会】個人の違いに関わらず、多くの人が使いやすいよう配慮されたデザインの名前を答える問題 |
大阪教育大学附属天王寺中学校
入試対策ポイント
国語 入試対策
1.基本動作の「習慣」化
本文中の重要部分・質問文での「問われていること」「ヒントとなる文言」・選択肢の「〇となるポイント」「✕となるポ イ ン ト」 について、短時間で的確に判断する力を磨きましょう。そのためには、ゆっくり丁寧に練習する→その結果、本番では素早くできる、を目指した日々の学習が必要です。受験学年上半期の学習では「大切なところを一つも見逃さない」という意識を持ち、丁寧なマーキングを心がけ、下半期の学習で「半ば無意識に『大切なところ』にマーキングできる」という状態にもっていきましょう。
2.知識領域の「反復」学習
受験参考書には載っていないような領域の出題例もありますが、基本的には「漢字・語句の知識を中心とした知識問題の出題が多いです。知識系の教材については、繰り返し学習し、 「もれ」がないように自分の中に取り込みましょう。
3.出題意図の「言語」化
作文問題は、「結局は〜を書くことを求められている」という判断が重要になります。受験に向けての学習では、作文問題だけでなく、読解問題全般において、「この問題は~を求めている」というように、自分で設問の趣旨を「解説」する習慣を持つことで、出題意図をつかむ思考力が身につきます。
算数 入試対策
基本的な受験算数の知識を持っておくことは当然ですが、現場での情報処理能力が問われる問題を数多く出す学校であるため、普段から丁寧な作業をしていく必要があります。粘り強く取り組む姿勢を身につけることと、情報処理の仕方を学んでいくことが合格への鍵となります。
また、作図の問題においても、図形の性質をきちんと理解していないとかけない問題も多く出され、コンパスや分度器などを使って図形をかく問題も出されるので、道具の使い方もきちんと理解したうえで、演習を通して経験値を上げていく必要があります。
検査Ⅰ 入試対策
基礎的な理科の知識だけでなく、資料を読み取る問題や、現象が起こる理由を考え説明する問題などが数多く出されています。また、2024年度は出題されていませんが、実験方法を説明する問題も出される傾向があります。普段から、「なぜこうなるのか」や「どのように実験するのか」などを書いて勉強するという習慣をつけることによって、これらの問題を解く力をのばすことができます。またプログラムからかかれる図形を図示する問題のように、現場対応力が必要な問題も出されるため、普段からマーキングを徹底し、問題の情報を整理する習慣を身につけることが重要です。また、図工などの実技強化からも出題されるため、実技強化の教科書をチェックする必要もあります。
検査Ⅱ 入試対策
【社会】標準的な難易度ですが、知識をもとに資料と組み合わせる問題が出されるので、普段の学習で解いた問題の解き直しを行い、定着を徹底することが必要です。
また資料が多数用いられるため、教科書や資料集、地図帳を確認して、その資料が何を表しているかを理解すると共に、その資料から分かることを短文でまとめる練習が効果的です。
【理科】基本的な知識や、実験とその結果から考察する力などの定着が必要です。また、現象が起こる理由を説明する問題が出題されるため、資料などを参考にして、普段から「なぜ?」を考え説明する練習が必要になってきます。
その際、問いの条件にあった答えかどうかをチェックするためにも、問われている内容や、問題文中のヒントにマーキングをする習慣をつけることも重要になってきます。また、2024年度は出題されていませんが、教科書レベルの実験方法や実験結果などを書いて説明する練習をすることが効果的です。
検査Ⅲ 入試対策
教科書の基本的な知識だけでなく、日常生活に関する内容やニュース、一般常識など様々な知識を習得する必要があります。5・6年生の教科書に書かれている音楽記号などの名称だけでなく、本文や図を確認して、語句を説明する練習を行い、理解を深めることが重要です。
KECの大阪教育大学附属天王寺中学校
対策講座・模試情報
大阪教育大学附属天王寺中学校の入試を突破するための取り組み
- 「通常授業」:小4生から、国語・算数・理科と記述力を、小5生・小6生からは表現国語・表現算数・社会なども実施し、学力を高めていきます。
- 「日曜スクール」:小5生・小6生を対象に、出題されやすい問題演習を通して、国算理社の知識を高めます。
- 「大阪教育大附天王寺中模試」:小5生・小6生を対象に、学年相当の問題に決められた時間内で取り組む経験と、解説授業の受講を通して、実戦力を高めます。また模擬試験受験後に返却される成績表は、その後の学習方針を定めるために、役立てることができます。
大阪教育大学附属天王寺中学校(大教大天王寺)の概要
大阪教育大学附属天王寺中学校は、大阪第一師範学校を前身として1947年に設立された国立の中学校です。
大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎に通学する生徒とは共通の校舎で生活し、先生方も連携をはかりながら教育活動を行っています。多くの生徒が附属高校へ連絡進学するため、他の中学校からの入学は非常に狭き門となっています。
大阪教育大学附属高等学校天王寺校舎から大阪教育大学への連絡進学の制度はありませんが、多くの生徒が国公立大学や難関私立大学に進学しています。
校風
大阪教育大学附属天王寺中学校は、「知の追求-好奇心をかき立てる授業」を行っており、机上の学習にとどまらず学習の場を広げ、体験を通し学べる環境が特徴の学校です。
教育方針
自然も人間もそして社会も多様性が保たれていることが最も大事であるとの精神を貫いています。 さらに多様な考えを基に、よりよい物事を創造するための精神文化を育むことを目指しています。
■ 大阪教育大学附属天王寺中学校公式HPはこちら
お問い合わせ先
TEL:06-6775-6052
所在地
〒543-0054
大阪府大阪市天王寺区南河堀町4−88
アクセス方法
交通:
JR大阪環状線 寺田町駅下車 南出口(天王寺側)よりすぐ
JR大阪駅から約20分
JR天王寺駅から約2分