ため息が出るほどの
「完璧な人間」
「完璧な人間」は確かにいる――そう思わざるを得ない。頭はキレるし、仕事でも圧倒的な成果を出す。なのに、さらなる高みを目指して努力も投資も惜しまない。発する言葉の節々に自信をまとっている。おまけにルックスは俳優ばりだ。「神様は不公平だ」なんて愚痴の一つもこぼしたくなるほどの“完成品”。それが、KEC Miriz取締役社長・冨樫優太という男だ。
だが、冨樫は言う。「確かに自分が積み上げてきたものへの自負はありますが、それは天賦の才によるものではありません。いわゆる叩き上げなんです」。そして、独特の言い回しでこう続けた。「僕は“作られた人間”だと思います」。「作られた」とはどういう意味だろうか。その答えを紐解く前に、もう少しこのビジネス・サイボーグを解体してみよう。